臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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100(注)上腕を外転した位置で、肘窩を左手で固定し、前腕を垂らした位置から水 平にあげてもらう方法もある。6)手根伸筋群(手関節の背屈)□ 検者が手背を上に向けて手関節を背屈する見本を示し、そのようにまねても らう。□ 手関節を掌屈するので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 左手で患者さんの前腕を手関節の近くで握り、右手の掌側を患者さんの手背 にあてがい、手関節を掌屈して抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。7)手根屈筋群(手関節の掌屈)□ 検者が手掌を上に向けて手関節を掌屈する見本を示し、そのようにまねても らう。□ 手関節を背屈するので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 左手で患者さんの前腕を手関節の近くで握り、右手掌を患者さんの手掌にあ てがい、手関節を背屈して抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。8)*母指、小指対立筋□ 検者が母指と小指を対立させる見本を示し、母指と小指を対立してもらう。□ 対立を開くので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 患者さんの母指と小指の基部に母指をあてて開き、抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。(7)起立と歩行の診察(立位)(7)起立と歩行の診察(立位)1)通常歩行□ 診察室内の空いた場所を示し、座位から立ち上がって普段どおりに歩いても らう。(可能であれば廊下などを使用することが望ましい)□ 歩行の異常(片麻痺歩行、Parkinson 歩行、失調性歩行、動揺歩行、鶏歩な ど)の有無を観察する。2)つぎ足歩行□ 検者が、足の先と踵が交互につくようにしながら、 一直線上を歩く動作を見 本として示し、そのように歩いてもらう。(下手な場合には慣れるまで何度 か試みる)□ 歩行の異常(ふらつき、よろめきなど)の有無を観察する。□ 危険のないよう、患者さんの近くにいて見守る。(注)かかと歩行、つま先歩行、しゃがみ立ちは下肢筋力のスクリーニングに役 立つ。3)Romberg 試験□ 検者が、踵とつま先をそろえて立つ姿勢を見本として示し、そのように立っ てもらう。□ 開眼のままで、体が動揺しないか、しばらく観察する。□ そばにいて支えるので、体がふらついても心配がないことを説明した上で、 患者さんに眼を閉じてもらう。3-2)医学系OSCE

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