臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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101□ 閉眼による体の大きな動揺がないかしばらく観察して、Romberg 徴候の有無 を判定する。□ 危険のないよう、患者さんのそばにいて見守る。(いつでも抱えられる体勢)(8)下肢の運動系の診察(臥位)1)体位や衣服の準備□ 寝た位置での診察を行うことを説明する。□ 靴下をぬいで、診察ベッドにうつ伏せになって寝てもらう。2)Barré 徴候(下肢)□ 検者の手をそえて、良い肢位をガイドしながら、両膝関節を 90°曲げてもら う。□ そのまま両足が接しないように膝を曲げた状態を維持してもらう。□ 下肢の下降の有無を判定する。(注)膝関節は45°曲げてもよい。3)踵膝試験□ 仰臥位で行う。□ 手で患者さんの下肢を持ち、次のようにガイドする。足関節を少し背屈した 状態で、踵を適度な高さから反対側の膝に正確にのせて、すねに沿って足首 までまっすぐ踵をすべらせる。□ 患者さんが理解したところで、実際にこの動作を2、3回行ってもらい、運 動の円滑さ、足のゆれや測定異常の有無などを観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)同様の検査が様々な名称手技で行われているので必ずしも上記の方法(注)同様の検査が様々な名称、手技で行われているので、必ずしも上記の方法 と同一である必要はない。(注)膝叩き試験を追加してもよい。4)*筋トーヌス(膝関節)□ 検者が患者さんの下肢を動かすが、患者さんは力を抜いたままで、自分では 下肢を動かさないようにしてほしい旨を伝える。□ 左手を患者さんの大腿遠位部にあて、右手で患者さんの足首を持って膝関節 の屈曲伸展を適切なスピードで繰り返す。□ 筋トーヌスの異常の有無(筋強剛、痙縮)を判定する。□ 必ず両側を検査する。(注)筋トーヌスは足関節の底屈・背屈でも評価できる。5)*下肢・体幹の視診□ 下肢等を露出してもらい、下肢・体幹の筋萎縮、線維束性収縮の有無を観察 する。(9)下肢の徒手筋力検査(座位、立位、臥位)1)腸腰筋□ 検者が股関節を屈曲するように見本を示し、患者さんの大腿部が腹部につく ような方向に股関節を屈曲してもらう。(膝は曲げたまま)□ 股関節の屈曲を戻すので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。3-2)医学系OSCE

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