臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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103(注)表在感覚の検査具としては、従来、筆やルーレットが用いられてきたが、 皮膚の損傷や感染予防の観点から触覚検査にはティッシュペーパー、痛覚 検査には楊枝の先端など、ディスポーザブルなものを使用するのが望まし い。(注)病歴から単ニューロパチーや多発ニューロパチー、レベルを持った感覚障 害などが疑われる場合には、必要に応じて、同一肢の近位部と遠位部での 差、末梢神経支配や髄節支配を念頭においた検査を行う。2)下肢の振動覚□ 音叉を見せて、これを振動させて検査することを伝える。□ 音叉に強い振動を与え、患者さんの胸骨や手背などで、振動の感じを体験し てもらう。□ 振動を感じたことを確認した後、音叉を叩き、患者さんの内果などに押し当 てる。□ 音叉の振動は徐々に弱まって消失することを説明して、振動を感じなくなっ たら「はい」と言うなど合図するように伝える。□ 合図があった時点で、 検者の手に感じる振動の大小で、 振動覚障害の有無 を判定する。□ 必ず両側を検査する。3)*下肢の位置感覚□ 指の位置の感覚の検査(足の指が上か下かどちらに動いたかをあててもらう 検査)を行う旨を説明する。□ 患者さんに閉眼してもらう。□検者の左手で患者さんの母趾を第2趾と離れるように拡げ右母指と示指で□ 検者の左手で患者さんの母趾を第2趾と離れるように拡げ、右母指と示指で 患者さんの母趾の側面をつまみ、水平位から上または下に動かし、どちらに 動いたか答えてもらう。(第2趾で行ってもよい)□ 動かす時には、これから動かすことを患者さんに告げる。□ 位置感覚異常の有無を判定する。□ 必ず両側を検査する。(11)反射の診察(臥位)(注)反射の診察法には様々な方法があり、ここでは代表的なものを示した。1)衣服の準備と検査法の原則□ ハンマーを見せながら、これで顎や手足を軽く叩く反射の検査を行うことを 説明する。□ 上肢は肘の上まで、下肢は膝の上まで露出するよう説明する。□ 肩や手足の力を抜いて、リラックスするよう告げる。□ ハンマーを握りしめず、バランスのよい部分を持つ。□ 手首のスナップをきかせて、適切なスピードで滑らかにハンマーを振る。□ 反射について判定(正常、低下、消失、亢進)する。2)下顎反射□ 口を半分くらい開けて、楽にしてもらう。□ 患者さんの下顎の真ん中に検者の左示指の指先掌側を水平にあてがう。3-2)医学系OSCE

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