臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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1059)*Trömner反射□ 患者さんの手を軽く背屈させ、検者は左手で患者さんの中指の基節を支える。□ 検者の右示指あるいは中指で、患者さんの中指の手掌側先端を強くはじく。□ 母指が屈曲するかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。10)Babinski徴候(反射)□ 検査具を見せ、足の裏をこすることを説明する。□ 患者さんの足を左手で固定して、足底の外側を踵から上にゆっくりと小趾の つけね付近までこする。さらに内側に向けて曲げてもよいが、母趾のつけね まではこすらない。□ 母趾の背屈がみられるかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)Babinski徴候の検査具には、従来、ハンマーの柄、鍵などが用いられてき たが、皮膚の損傷や感染予防の観点から楊枝の頭部など、ディスポーザブ ルなものを使用することが望ましい。11)*Chaddock反射□ 患者さんの足の外果の下を後ろから前へ検査具(Babinski徴候に用いたもの) でこする。□ 母趾の背屈がみられるかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。(12)髄膜刺激徴候の診察(臥位)1)項部硬直1)項部硬直□ 首の硬さを検査することを告げ、枕をはずす。□ 頭部に触ることを告げ、患者さんの後頭部を両手でかかえる。□ 検者が患者さんの頭を動かすので、自分では首を曲げたり頭を動かしたりし ないように説明する。□ はじめに左右に回してみて力が入っていないことを確認した後、ゆっくりと 頭部を前屈させ、項部硬直の有無を判定する。(注)患者さん自身に、あごが胸につくように頭部を前屈してもらい、髄膜刺激 徴候の有無を検査する方法もある(neck flexion test)。この方法は座位 でも臥位でも行える。2)*Kernig徴候□ 足を曲げて伸ばす検査を行う旨を説明する。□ 検者の手でガイドしながら、患者さんの片側の股関節を90゜屈曲してもらい、 さらに膝関節も90゜屈曲してもらう。□ 患者さんの大腿伸側を膝関節のやや近位を左手でつかみ、右手で患者さんの 踵を下から押して膝関節を135゜までゆっくりと伸展させていき、Kernig徴候 の有無を判定する。(13)認知機能の診察(注)病歴聴取の段階で認知機能の異常が疑われたら、 他の診察の前に下記の検3-2)医学系OSCE

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