臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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106 査を行う。1)見当識□ 時(年月日、曜日)を尋ねる。□ 場所を尋ねる。□ 人を尋ねる。2)記憶□ 生年月日、出生地、出身小学校などについて尋ねる。(遠隔記憶)□ 朝の食事内容、昨日の天気などについて尋ねる。(近時記憶)□ 数字の逆唱(3桁と4桁)を行ってもらう。(即時記憶)3)計算□ 100から7を順に3~5回引き算してもらう。4)常識□ 総理大臣の名前、テレビで話題の事件など常識的な事項について尋ねる。5)*失語□ 日常的3物品(時計、めがね、財布、鍵など)を見せ呼称してもらう。□ 言語理解の検査として「右手で左の耳を触って下さい」などの命令をし、施 行してもらう。(ジェスチャーを加えないこと)□ 何か文章を言って復唱できるかを検査する。(14)意識レベルの診察(注)意識障害の患者を診察する場合には、バイタルサインの測定を優先し、安 定していることを確認した後に意識レベルを診察する(「Ⅹ.救急、(4)意識障害患者への初期対応」を参照) 識障害患者への初期対応」を参照)。□ 開眼しているかどうか観察する。□ 開眼している時、見当識(時、場所、人)を検査し、言語反応(会話の混乱、 不適切な言葉、理解不能の応答、発語の有無)を観察する。□ 見当識障害がある時、名前や生年月日を尋ねる。□ 握手、離握手などの合目的な運動反応を左右で確認する。□ 開眼していない時、普通に呼びかけて開眼するかどうかを観察する。□ 普通に呼びかけて開眼した時、見当識を検査し、言語理解と運動反応を観察 する。□ 普通に呼びかけても開眼しない時、大きな声をかけたり体を揺さぶったりし て開眼するかどうかを観察する(頸椎頸髄損傷が疑われる場合は肩を軽く叩 く。「Ⅹ.救急、(4)意識障害患者への初期対応」を参照)。□ 大声や体の揺さぶりでようやく開眼した時、言語反応と運動反応を観察する。□ 大声や体の揺さぶりでも開眼しない時、痛み刺激を加えながら呼びかけを繰 り返し、開眼するかどうかを観察する。□ 痛み刺激は、胸骨、左右の眼窩上切痕(眼窩上孔)、左右の手指あるいは足 趾の爪床などを圧迫する方法で行う。 (注)有効な痛み刺激の与え方(青あざが残らないように注意する) 1)握り拳を作り、中指の近位指節間関節で胸骨の前面を強く圧迫する。 2)母指先で、両側の眼窩上切痕(眼窩上孔)部を強く圧迫する。3-2)医学系OSCE

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