臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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119 報告する。 (キーワードの例:「目の前で倒れた、心肺停止、除細動した」)10)*質の管理□ 胸骨圧迫の質が低下しないように胸骨圧迫の役割を1~2分ごとに交代するこ とを考慮する。(3)小児への心肺蘇生法(注)ここでは心肺停止で倒れたところを目撃された小児患者への対応について、 成人との違いのみ記載した。□ 小児の場合も、心肺停止状態と判断したら、直ちに胸骨圧迫を開始するが、 小児の心肺停止の原因は呼吸原性のことが多いので、感染防護具が手に入り 次第、人工呼吸を行う。□ 脈拍60回/分以下の徐脈で、かつ、末梢循環障害があれば胸骨圧迫を行う。□ 胸骨圧迫では、小児では圧迫の深さは胸の厚さの3分の1程度として強く圧迫 する。体の大きさを考慮し片手で圧迫してもよい。□ AED(自動体外式除細動器)を使用する際、未就学児(1~6歳)では小児用電 極パッドを使用する。小児用電極パッドが無ければ成人用電極パッドで代用 するが、パッド同士が接触しないように適切な位置に貼る。(4)意識障害患者への初期対応1)安全を確認する□ 周囲を見渡し安全であること(車、鋭利なもの、体液などの危険や汚染がないこと)を口に出して確認する いこと)を口に出して確認する。□ スタンダードプレコーションに配慮する。(手袋など)2)反応を確認する□ 患者さんに大きな声をかけながら、肩を軽く叩いて反応を確認する。3)応援や資器材を依頼する□ 反応がなければ、助けを求める。(病室ではナースコールを使ってもよい)□ 助けの人に①応援の人(医師・看護師・院内救急コール)、②AEDまたは除細 動器、③救急カートなどを依頼する。4)気道を確保し、呼吸と脈拍を確認する□ *頸椎頸髄損傷が疑われる場合は下顎挙上法を行う。□ 頭部後屈あご先挙上を行い、軟部組織を圧迫しないように気道を確保する。□ 頭部後屈させた患者さんの、①胸部の呼吸運動、②呼吸の音、③呼気の流れ、 ④頸動脈拍動の有無を確認し、10秒以内で心肺停止状態かどうかを判断する。 (死戦期呼吸は十分な呼吸ではない、確実な頸動脈拍動を触れなければ心肺 停止状態と判断する) ➢頸動脈拍動は、頭部後屈を保ったまま、あご先を挙上していた指2、3本を甲 状軟骨の高さで手前にずらし、甲状軟骨と胸鎖乳突筋の間に軽く押し当てて 確認する。5)末梢循環を観察する□ 十分な自発呼吸があれば、末梢循環や意識レベルを観察する。3-2)医学系OSCE

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