臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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12-12-2-1)CBTの概要○学生がCBTの操作に慣れるとともに,受験を体験するためのソフト(CBT操作説明と共用試験CBT体験テスト)が各大学に配布されていますので,CBT実施前に各大学のCBT実施システムを用いて体験してください。○試験当日,各大学のCBT実施会場には機構からモニター委員が派遣され,CBTが厳正かつ公正に実施されているかどうかを確認します。○試験終了後,各大学から試験実施キット等が機構に全て返却された後,10日以内に各大学に学生個人の成績と各大学の成績が発送されます。CBTのランダム出題と難易度及び成績評価についてCBTでは,プール問題についての採点結果を返却しています。難易度等の特性が判明している問題を用いるため,ランダムに出題しても問題セット間に難易度の差がないように調整することが可能です。既にトライアルの段階においても,医学系・歯学系ともに問題セット間の平均難易度の標準偏差が1.0%以下と極めて小さいことが判明しています。問題セットを準備する段階で各問題セットの難易度に差がないように調整されています。実際に出題した問題セット間の平均難易度の標準偏差が0.6~0.7%程度であり,難易度の差が無視できるほど小さく設定されています。項目反応理論を用いたランダム出題方式の特徴「同一問題を用いた同一時期の一斉試験の方が公平である」との考えがありますが,CBTは各大学のカリキュラムや試験日が異なることから全国一斉実施は困難です。そのため項目反応理論を用いたランダム出題方式をとっています。項目反応理論を用いた試験による評価は,統一試験の問題作成・実施・評価・運用のための優れた実践モデルとして世界的にも定着しています。試験問題の特性の判明しているプール問題を用い,項目反応理論を適用することにより,異なった時期に,異なった場所で,異なる能力の学生が受験しても公平な評価が得られます。項目反応理論(ItemResponseTheory,IRT)の応用医学系では,項目反応理論(ItemResponseTheory,IRT)を応用し,問題セットの難易度調整とともに,学生が受験した問題の難易度等に影響されない学生個人の能力を推定しています。各大学における評価の参考のために,6段階評価として学生個人に返却されています。これは,難易度の判明している多数のプール問題から出題されていることから可能となっています。これらの個人能力値は,第1回(2006年度共用試験)正式実施の結果から予測される受験者全体の中での位置付けを推測した値です(第1回を基準とした‘偏差値’に類似した考えです。)。説明の詳細は,各大学に送付してあります。歯学系においても,項目反応理論の適用に向けた準備が進んでいます。2-1)CBTの概要

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