臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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15-15-2-1)CBTの概要CBT出題における新規作成問題とプール問題の取扱い毎年度,新規に出題された問題については,試験実施後に各問題の特性(正答率,識別指数・点双列相関係数,項目特性曲線や問題内容)を解析し,適切な問題を選んでプール問題候補として蓄積します。既にプールされた問題についても,各設問の特性の年次変化の推移,図表の良否,内容・形式の良否等を解析し,必要に応じて,修正,削除,入れ替え作業を行っています。CBT試験問題の良否判定のための識別指数と点双列相関係数について試験問題の良否を判定する場合,正答率ばかりでなく,能力の高い受験者が正答し,能力の低い受験者の正答率が低ければ,能力についての識別が優れた試験問題になります。試験問題の良否の指標として,成績上位者と成績下位者のみのデータを用いた識別指数とコンピュータ時代に相応しい全てのデータを用いた点双列相関係数があります。CBTのプール問題蓄積にあたっては一問ごとに識別指数と点双列相関係数を検討しています。・識別指数(ψ)各試験問題について,識別指数を求めます。この値が大きいほど,識別度(弁別度)が高いとされています。最小-1から最大+1までの範囲の数値となりますが,マイナス値を示す場合は,適切な問題ではない可能性,あるいは実施した試験で測定する能力と異なる能力を測定している可能性があります。通常,0.2を超える程度を目安とします。・点双列相関係数(ρpb)識別指数では,上位及び下位の成績のみを使っていますが,中間の成績も含めて全てのデータを使った指標が点双列相関係数(テスト全体の得点とその問題の得点との間の直線相関関係の指標)です。識別指数より若干低めの数値を示す傾向があります。A=その問題の正答者のテスト全体の得点の平均値B=その問題の誤答者のテスト全体の得点の平均値C=テスト全体の得点の標準偏差D=その問題の標準偏差とした場合,点双列相関係数は,以下の式から求められます。点双列相関係数=(A-B)×D/C2-1)CBTの概要

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