臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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83 ➢耳鏡を正しくセットして、横から覗きながら外耳道内へ耳鏡の先端を挿入する。 ➢耳鏡の先端を挿入後、安全確保のため耳鏡を保持している手の一部を患者さん の頭部に当てて固定し、耳鏡を覗きながら痛みを生じないように注意深く進 める。 ➢耳鏡で外耳道・鼓膜を観察する。4)鼻・副鼻腔□ 鼻の全体の形状、皮膚の所見を観察する:変形、皮疹など。□ 副鼻腔(上顎洞・前頭洞)の圧痛、叩打痛を確認する。□ *片方ずつ鼻翼を圧迫して鼻孔を塞ぎ、呼気または吸気で通気を確認する方 法や、金属板の曇りを確認する方法などにより鼻閉塞の有無を確認する。□ *鼻鏡を用いて前鼻腔を観察する。5)口唇・口腔・咽頭□ 口唇を観察する:チアノーゼ、水疱、色素沈着、潰瘍など。□ 歯を観察する:欠損、う歯、歯垢、歯石や歯列の所見など。□ 歯肉を観察する:発赤、腫脹、出血、色素沈着など。□ 頬粘膜を観察する:潰瘍、出血斑・鵞口瘡や耳下腺管開口部の所見など。□ 舌を観察する:舌を観察することを告げ、口を大きく開けてもらう、または 舌を出してもらい舌背を観察する。適切な指示(例「舌を右に寄せてくださ い」など)、または舌圧子の使用により舌縁を観察する。発赤、腫瘤、潰瘍、 舌乳頭萎縮、舌苔、巨舌など。□ 口腔底・舌下面を観察する:適切な指示により舌を挙上してもらい、口腔底・ 舌下面を観察する。腫瘤、舌小帯短縮や顎下腺管開口部の所見など。□硬口蓋を観察する:口蓋を十分に観察できるように患者さんに頸部を後屈□ 硬口蓋を観察する:口蓋を十分に観察できるように、患者さんに頸部を後屈 してもらう、または観察者が下方から口蓋を覗き込む。発赤、腫瘤、潰瘍、 出血斑など。□ 軟口蓋・咽頭後壁を観察する:発赤、腫脹、リンパ濾胞の腫大、出血、後鼻 漏など。□ 口蓋扁桃を観察する:腫脹、左右差、発赤、白苔など。□ ペンライトを適切に使用する:観察部位に的確に光を当て、口腔内に入れた り口唇に触れたりしないようにする。□ 咽頭後壁および口蓋扁桃を観察する際には、高い声で"あー"と発声してもら うなどの方法で十分な視野を確保する。□ 舌圧子を用いて診察する際、咽頭後壁観察時は必要に応じて舌の中央部を舌 圧子で押し下げ、頬粘膜や歯・歯肉の観察時は舌圧子で頬粘膜を歯列から引 き離す。□ 舌圧子は不潔にならないように操作し、使用後は感染性廃棄物として適切に 廃棄する。6)唾液腺□ 耳下腺を触診する:示指~環指の指腹を使って触診する。□ 顎下腺を触診する:患者さんに軽く頸部を前屈してもらい示指~環指の指腹 を使って触診する。7)頭頸部リンパ節3-2)医学系OSCE

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