臨床実習開始前の「共用試験」第9版(平成23年)
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96(注)患者さんの視線を固定するために、検者の指を注視させる方法もある。2)眼球運動・眼振□ 指標(検者の右示指など)を患者さんの眼前に示し、顔を動かさずに眼で指 標を追うよう伝える。□ 指標が患者さんの眼に近すぎないように注意する。 (眼前50cm程度)□ 指標はゆっくりと円滑に動かす。□ 左右・上下4 方向への動きを検査する。□ 左右・上下4 方向の最終地点で指標の動きを止め、眼振の有無を観察する。□ 同時に、複視の有無を尋ねる。(注)複視があるとき右上、右下、左上、左下を追加し、正面とで計9方向を検 査する。3)*輻輳と近見反射□ 患者さんの眼前50cm のあたりに示指をかざし、指先を見ているよう指示する。□ 患者さんの眼前15cm 位まで指先をゆっくり近づけて、両側眼球の内転、瞳孔 の収縮を観察する。4)瞼裂・瞳孔/対光反射□ 患者さんの前方を手で示しながら、遠くを見ているよう指示する。□ 瞼裂(眼瞼下垂や左右差の有無など)を観察する。□ 瞳孔の形・大きさ(正円かどうか、縮瞳・散瞳・瞳孔不同の有無)を観察す る。□ ペンライトを見せながら、光で眼を照らすことを患者さんに告げる。□ 患者さんの視線の外側から瞳孔に光をあてる。□光を当てた側の瞳孔(直接対光反射)と反対側の瞳孔(間接対光反射)の収□ 光を当てた側の瞳孔(直接対光反射)と反対側の瞳孔(間接対光反射)の収 縮を観察する。□ 必ず両側を検査する。5)眼底□ 眼底鏡を見せながら、眼の奥を見る検査(眼底検査)を行うことを告げる。□ 眼を動かさず前方を見ていてほしいことを告げる。□ 患者さんの右眼は検者の右眼で、左眼は検者の左眼で検査する。□ 検者の空いた手で患者さんの頭部を支える。□ 眼底鏡が患者さんと離れすぎないようにする。(5cm以内)□ *乳頭(萎縮、浮腫など)、網膜(出血など)、動静脈(径、交叉など)の 異常の有無を観察する。□ 必ず両側を検査する。6)顔面の感覚□ 検査器具を見せながら、顔の触覚と痛覚を検査することを告げる。□ 3 枝の各領域を区別して検査する。□ 領域毎に左右差を確認する。(注)痛覚検査ではあらかじめ検査器具による感覚を確認してもらう。(注)表在感覚の検査具としては、従来、筆やルーレットが用いられてきたが、 皮膚の損傷や感染予防の観点から触覚検査にはティッシュペーパー、痛覚 検査には楊枝の先端など、ディスポーザブルなものを使用するのが望まし3-2)医学系OSCE

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