臨床実習開始前の「共用試験」第10版(平成24年)
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99Ⅲ-2 医学系OSCE□ 検者の手をそえて、良い肢位をガイドしながら、両膝関節を 90°曲げてもら う。□ そのまま両足が接しないように膝を曲げた状態を維持してもらう。□ 下肢の下降の有無を判定する。(注)膝関節は45°曲げてもよい。3)踵膝試験□ 仰臥位で行う。□ 手で患者さんの下肢を持ち、次のようにガイドする。足関節を少し背屈した 状態で、踵を適度な高さから反対側の膝に正確にのせて、すねに沿って足首 までまっすぐ踵をすべらせる。□ 患者さんが理解したところで、実際にこの動作を2、3回行ってもらい、運 動の円滑さ、足のゆれや測定異常の有無などを観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)同様の検査が様々な名称、手技で行われているので、必ずしも上記の方法 と同一である必要はない。(注)膝叩き試験を追加してもよい。4)*筋トーヌス(膝関節)□ 検者が患者さんの下肢を動かすが、患者さんは力を抜いたままで、自分では 下肢を動かさないようにしてほしい旨を伝える。□ 左手を患者さんの大腿遠位部にあて、右手で患者さんの足首を持って膝関節 の屈曲伸展を適切なスピードで繰り返す。□ 筋トーヌスの異常の有無(筋強剛、痙縮)を判定する。□ 必ず両側を検査する。(注)筋トーヌスは足関節の底屈・背屈でも評価できる。5)*下肢・体幹の視診□ 下肢等を露出してもらい、下肢・体幹の筋萎縮、線維束性収縮の有無を観察 する。(9)下肢の徒手筋力検査(座位、立位、臥位)1)腸腰筋□ 検者が股関節を屈曲するように見本を示し、患者さんの大腿部が腹部につく ような方向に股関節を屈曲してもらう。(膝は曲げたまま)□ 股関節の屈曲を戻すので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 大腿前面に手をあて、股関節が伸展する方向に力を加えて、抵抗する筋力を 判定する。□ 必ず両側を検査する。2)大腿四頭筋□ 検者が膝関節をピーンと伸ばすように見本を示し、そのようにまねてもらう。□ 膝関節を屈曲するので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。□ 大腿部を左手で下から支え、右手で足関節の近位部を上から握り、膝関節を 屈曲して抵抗する筋力を判定する。□ 必ず両側を検査する。3)*大腿屈筋群□ 検者が見本を示し、膝関節を最大屈曲してもらう。 - 99 -

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