臨床実習開始前の「共用試験」第10版(平成24年)
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116Ⅲ-2 医学系OSCE (キーワードの例:「目の前で倒れた、心肺停止、除細動した」)10)*質の管理□ 胸骨圧迫の質が低下しないように胸骨圧迫の役割を1~2分ごとに交代するこ とを考慮する。(3)小児への心肺蘇生法(注)ここでは心肺停止で倒れたところを目撃された小児患者への対応について、 成人との違いのみ記載した。□ 脈の確認は、頸動脈または大腿動脈で行う。□ 小児の場合も、心肺停止状態と判断したら、直ちに胸骨圧迫を開始するが、 小児の心肺停止の原因は呼吸原性のことが多いので、感染防護具が手に入り 次第、人工呼吸を行う。□ 脈拍60回/分以下の徐脈で、かつ、末梢循環障害があれば胸骨圧迫を行う。□ 救助者が一人の場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は30:2とする。□ 医療従事者が二人以上いる場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は15:2とする。□ 胸骨圧迫では、小児では圧迫の深さは胸の厚さの3分の1程度として強く圧迫 する。体の大きさを考慮し片手で圧迫してもよい。□ AED(自動体外式除細動器)を使用する際、未就学児(1~6歳)では小児用電 極パッドを使用する。小児用電極パッドが無ければ成人用電極パッドで代用 するが、パッド同士が接触しないように適切な位置に貼る。(4)*乳児への心肺蘇生法(注)ここでは突然ぐったりしたところを目撃された乳児患者への対応について、 成人・小児との違いのみ記載した。□ 反応の確認は、肩もしくは足底で行う。□ 脈の確認は、上腕動脈で行う。□ 乳児の場合も、心肺停止状態と判断したら、直ちに胸骨圧迫を開始するが、 心肺停止の原因は呼吸原性のことが多いので、感染防護具が手に入り次第、 人工呼吸を行う。□ 脈拍60回/分以下の徐脈で、かつ、末梢循環障害があれば胸骨圧迫を行う。□ 救助者が一人の場合、胸骨圧迫は二本指圧迫法で行い、胸骨圧迫と人工呼吸 の回数比は30:2とする。□ 医療従事者が二人以上いる場合、胸骨圧迫は胸郭包み込み両母指圧迫法で行 い、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は15:2とする。□ 胸骨圧迫は、小児同様に圧迫の深さは胸の厚さの3分の1程度として強く圧迫 する。□ AED(自動体外式除細動器)を使用する際、乳児では小児用電極パッドを使用 する。小児用電極パッドが無ければ成人用電極パッドで代用するが、パッド 同士が接触しないように適切な位置に貼る。(5)意識障害患者への初期対応1)安全を確認する□ 周囲を見渡し安全であること(車、鋭利なもの、体液などの危険や汚染がな いこと)を口に出して確認する。 - 116 -

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