臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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98□ 舌圧子は清潔に操作し、使用後は感染性廃棄物として適切に廃棄する。12)舌□ 舌を見たいことを告げ、口を大きく開けてもらい、舌の萎縮と線維束性収縮 の有無を観察する。□ 検者が見本を示した上で、 舌をまっすぐに出してもらい、 舌の偏位の有無 を観察する。13)*胸鎖乳突筋□ 頸部の筋肉の検査を行うことを告げ、手で方向を示しながら、側方を向いて もらう。□ 顎に手をあてることを告げ、患者さんの顔を向けた側の顎に検者の手掌をあ てがい、反対側の手を肩に置く。□ 検者の手で顎を引き戻すので、負けないように頑張って力を入れてほしいこ とを告げる。□ 胸鎖乳突筋の筋力を判定する。□ 反対側の手で収縮した胸鎖乳突筋を触診する。□ 必ず両側を検査する。(5)上肢の運動系の診察(座位)1)上半身の不随意運動□ 手を膝においてゆったりと座ってもらう。□ 安静時の振戦、その他の不随意運動(頭部の振戦、舞踏運動など)の有無を 観察する。□両上肢を前方に伸ばし手掌を下に向けて指を少し広げてもらい手指の姿98□ 両上肢を前方に伸ばし、手掌を下に向けて指を少し広げてもらい、手指の姿 勢時振戦の有無を観察する。□ 指を広げたままで手首を背屈してもらい、固定姿勢保持困難(asterixis、羽 ばたき振戦と言われることもあるが厳密には振戦ではない)の有無を観察す る。□ 臥位で固定姿勢保持困難を観察する場合には、両上肢を水平から約45度挙上 し、指を広げたままで手首を背屈してもらう。(注)その他の上半身の不随意運動も臥位で評価できる。2)Barré 徴候(上肢)□ 良い肢位をガイドしながら、両上肢を前方に伸ばし、手掌を上に向け指をつ けてもらう。□ 両眼を閉じてもらい、そのまま水平を保つよう頑張ってもらう。□ 上肢の降下、手掌の凹み、前腕回内、肘関節屈曲の有無を観察する。3)筋トーヌス(肘関節)□ 検者が患者さんの手を動かすので、患者さんは力を抜いて、自分では手を動 かさないようにしてほしい旨を伝える。 □ 左手で患者さんの肘関節伸側を軽く持ち、右手で患者さんの手を持って、肘 関節の屈曲伸展を適切なスピードで繰り返す。□ 筋トーヌスの異常(筋強剛、痙縮など)の有無を判定する。98Ⅲ−2 医学系OSCE

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