臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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99□ 必ず両側を検査する。(注)上肢の筋トーヌスは前腕の回内・回外、手関節の屈伸でも評価できる。4)鼻指鼻試験□ 検者の右示指を出して見せ、患者さんにも同じように指を出してもらう。□ 左手で患者さんの指のつけねあたりを持ち、検者の右示指の指尖と患者さん の鼻のあたまとの間を行ったり来たりする動作を2、3回ガイドする。□ 患者さんが手を伸ばすとようやく指に届く程度の距離で検査を行う。□ 検者の指は少しずつ位置を変えるので、頑張って指を付けてほしい旨を伝え る。□ 運動の円滑さ、振戦や測定異常の有無などを観察する。□ 必ず両側を検査する。5)手回内・回外試験□ 検者が見本を示しながら、両手を前に出し、軽く肘を屈曲して手の回内と回 外をできるだけ速く反復してもらう。(片手ずつ行ってもよい。肘は伸ばし てもよい)□ 反復拮抗運動不能(dysdiadochokinesis、adiadochokinesis)の有無を判定 する。6)*上肢・体幹の視診□ 上半身を露出してもらい、上肢・体幹の筋萎縮、線維束性収縮の有無を観察 する。(6)握力と上肢の徒手筋力検査(座位)1)利き手の確認と徒手筋力検査の判定法991)利き手の確認と徒手筋力検査の判定法□ 利き手を確認する。□ 重力の負荷がかかる肢位で、他動的な関節可動域の最終点で最大の力を出し てもらい、これに対して検者が抵抗して評価する。□ 抵抗はゆっくり徐々に増すように加える。□ 3以上であるか3未満であるかをはじめに判定する。□ 6段階評価の基準 5:強い抵抗に抗して全関節可動域の運動が可能。 4:弱い抵抗に抗して全関節可動域の運動が可能。 3:重力に抗して全関節可動域の運動が可能。 2:重力を取り除けば全関節可動域の運動が可能。 1:筋の収縮はふれるが関節の運動はみられない。 0:筋の収縮もふれない。2)*握力□ 握力計を渡し、握る部位を指示して、片手で強く握ってもらう。□ 必ず両側を検査する。3)三角筋□ 検者は見本を示し、両上肢を90°まで側方挙上してもらう。□ 腕を上から押すので、それに負けないよう頑張ってほしい旨を伝える。99Ⅲ−2 医学系OSCE

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