臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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101□ 歩行の異常(片麻痺歩行、Parkinson 歩行、失調性歩行、動揺歩行、鶏歩な ど)の有無を観察する。2)つぎ足歩行□ 検者が、足の先と踵が交互につくようにしながら、 一直線上を歩く動作を見 本として示し、そのように歩いてもらう。(下手な場合には慣れるまで何度 か試みる)□ 歩行の異常(ふらつき、よろめきなど)の有無を観察する。□ 危険のないよう、患者さんの近くにいて見守る。(注)かかと歩行、つま先歩行、しゃがみ立ちは下肢筋力のスクリーニングに役 立つ。3)Romberg 試験□ 検者が、踵とつま先をそろえて立つ姿勢を見本として示し、そのように立っ てもらう。□ 開眼のままで、体が動揺しないか、しばらく観察する。□ そばにいて支えるので、体がふらついても心配がないことを説明した上で、 患者さんに眼を閉じてもらう。□ 閉眼による体の大きな動揺がないかしばらく観察して、Romberg 徴候の有無 を判定する。□ 危険のないよう、患者さんのそばにいて見守る。(いつでも抱えられる体勢)(8)下肢の運動系の診察(臥位)1)体位や衣服の準備□寝た位置での診察を行うことを説明する101□ 寝た位置での診察を行うことを説明する。□ 靴下をぬいで、診察ベッドに寝てもらう。2)*Barré 徴候(下肢)□ 腹臥位で行う。□ 検者の手をそえて、良い肢位をガイドしながら、両膝関節を 90°曲げてもら う。□ そのまま両足が接しないように膝を曲げた状態を維持してもらう。□ 下肢の下降の有無を判定する。(注)膝関節は45°曲げてもよい。3)踵膝試験□ 手で患者さんの下肢を持ち、次のようにガイドする。足関節を少し背屈した 状態で、踵を適度な高さから反対側の膝に正確にのせて、すねに沿って足首 までまっすぐ踵をすべらせる。□ 患者さんが理解したところで、実際にこの動作を2、3回行ってもらい、運 動の円滑さ、足のゆれや測定異常の有無などを観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)同様の検査が様々な名称、手技で行われているので、必ずしも上記の方法 と同一である必要はない。(注)膝叩き試験を追加してもよい。101Ⅲ−2 医学系OSCE

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