臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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120 い、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は15:2とする。□ 胸骨圧迫は、小児同様に圧迫の深さは胸の厚さの3分の1程度として強く圧迫 する。□ AEDを使用する際、乳児では小児用電極パッドを使用する。小児用電極パッド が無ければ成人用電極パッドで代用するが、パッド同士が接触しないように 適切な位置に貼る。(5)意識障害患者への初期対応1)安全を確認する□ 周囲を見渡し安全であること(車、鋭利なもの、体液などの危険や汚染がな いこと)を口に出して確認する。□ スタンダードプレコーションに配慮する。(手袋など)2)反応を確認する□ 患者さんに大きな声をかけながら、肩を軽く叩いて反応を確認する。3)応援や資器材を依頼する□ 反応がなければ、助けを求める。(病室ではナースコールを使ってもよい)□ 助けの人に①応援の人(医師・看護師・院内救急コール)、②AEDまたは除細 動器、③救急カートなどを依頼する。4)気道を確保し、呼吸と脈拍を確認する□ *頸椎頸髄損傷が疑われる場合は下顎挙上法を行う。□ 頭部後屈あご先挙上を行い、軟部組織を圧迫しないように気道を確保する。□ 頭部後屈させた患者さんの、①呼吸の観察、②頸動脈拍動の有無の確認を行い10秒以内で心肺停止状態かどうかを判断する(死戦期呼吸は十分な呼120 い、10秒以内で心肺停止状態かどうかを判断する。(死戦期呼吸は十分な呼 吸ではない、確実な頸動脈拍動を触れなければ心肺停止状態と判断する) ➢頸動脈拍動は、頭部後屈を保ったまま、あご先を挙上していた指2、3本を甲 状軟骨の高さで手前にずらし、甲状軟骨と胸鎖乳突筋の間に軽く押し当てて 確認する。5)末梢循環を観察する□ 十分な自発呼吸があれば、末梢循環や意識レベルを観察する。□ 末梢循環の観察には、顔面や手の視診と触診で皮膚の①蒼白、②冷感、③湿 潤の有無を確認する。(*毛細血管再充満時間で評価することもある)□ 橈骨動脈の脈拍を観察し、脈拍の有無や強弱、速いか遅いかを確認する。 (例:「脈は弱くて速い」、「強くて遅い」など)□ 明らかな外出血がないか全身を観察する。外出血があればスタンダードプレ コーションに配慮しつつ直接圧迫止血する。6)意識レベルを評価し、重要な神経学的所見を観察する(「Ⅷ.神経診察、(14)意識レベルの診察」を参照)□ 患者さんに声をかけながら、声かけに答えるか、指示に従い顔面や手足を動 かせるかどうかを観察する。□ 声かけに反応しない場合は、痛み刺激に対する反応を観察する。患者さんへ の配慮として、痛み刺激は声をかけてから加える。120Ⅲ−2 医学系OSCE

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