臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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121□ 意識レベルをJCS(Japan Coma Scale)、かつGCS(Glasgow Coma Scale)で 表現する。□ *話し方の異常、顔面麻痺、上下肢麻痺の有無と左右差、瞳孔の大きさと対 光反射を評価する。7)気道を維持する□ 意識障害があり、気道確保が必要で、呼吸と循環が安定していれば、頭部後 屈あご先挙上法、下顎挙上法、回復体位などの方法で気道の維持を継続して 行う。 ➢回復体位を実施する場合は、頭部や頸部に無理な力がかかっていないかどうか を確認しながら安定した側臥位にし、頭部を後屈させる。□ 気道が維持され、呼吸と循環が安定しているかどうか経時的に確認する。□ *頸椎頸髄損傷が疑われる場合は、体位変換せず下顎挙上法のみを行う。8)バッグ・バルブ・マスクを使用した人工呼吸を行う(1人法)□ 患者の鼻と口を覆うように、適切な位置にマスクを置く。□ 頭部後屈あご先挙上、もしくは下顎挙上法で気道を確保する。□ 中指、環指、小指を患者の下顎にかけて下顎を引き上げつつ、母指と示指で マスクを保持し、患者の鼻と口を覆う。□ 胸部の動きを見ながら1回に1秒かけて、胸が上がる程度の量を送気する。□ 胸部の動きがない場合は、気道を確保し直して換気を行う。□ 人工呼吸のみを行う場合は、1分間に10回程度の回数で行う。9)バッグ・バルブ・マスクを使用した人工呼吸を行う(2人法)□ 熟練した救助者が複数いる場合は、2人法でバッグ・バルブ・マスクを用いる。□気道確保担当者は両手でマスクの保持を行い気道確保に専念するその121□ 気道確保担当者は、両手でマスクの保持を行い、気道確保に専念する。その 際1人法の場合と同様の方法を両手で行うか、両手の母指球でマスクの左右を 押さえ、他の指で下顎を引き上げるようにしてマスクを密着させる。□ 換気担当者は、胸部の動きを見ながら1回に1秒かけて、胸が上がる程度の量 を送気する。□ 胸部の動きがない場合は、気道を確保し直して換気を行う。□ 人工呼吸のみを行う場合は、1分間に10回程度の回数で行う。10)容態変化時の対応□ 容態が大きく変化した場合は、気道、呼吸、循環、意識レベルを再評価する。11)体温維持に留意する□ 体温低下の可能性があれば毛布などによる保温に努める。高体温の疑いがあ れば冷却をはかる。12)医療者に申し送る□ 到着した医師・看護師に引き継ぎ、状況を概ね10秒以内で簡潔に報告する。 (キーワードの例:「意識レベル、呼吸循環、回復体位」)(6)気道異物による窒息への初期対応(注)ここでは窒息したところを目撃された成人患者への対応を扱っている。1)窒息の認知121Ⅲ−2 医学系OSCE

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