臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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122□ 苦しそう、顔色が悪い、声が出せない、息ができないなどがあれば、窒息を 疑う。□ 「ものが詰まりましたか」などと声をかけ、身振り手振りや声が出せないこ となどで窒息していることを確認する。2)応援や資器材を依頼する□ 窒息の疑いがあれば、助けを求める。(病室ではナースコールを使ってもよ い)3)腹部突き上げ法(ハイムリック法)を実施する□ 患者さんへの配慮として、「後ろからお腹を押します」など声をかけてから 処置を行う。□ 患者さんの背後から両手を腹部にまわし、臍の頭側に片手の拳を当て他の手 で拳を覆い横隔膜の方向にすばやく突き上げる。剣状突起を圧迫しないよう に注意する。 (妊婦や肥満者には、腹部突き上げ法ではなく胸部突き上げ法・背部叩打法 を行う)4)背部叩打法を実施する□ 患者さんへの配慮として、「背中を叩きます」など声をかけてから処置を行 う。□ 手掌基部で患者さんの肩甲骨の間を力強く連続して叩く。5)意識消失への対応□ 患者さんの反応がなくなったら、応援や資機材の依頼を行い、人工呼吸から 心肺蘇生法を開始する。この際、呼吸と脈拍の確認は行わない。気道確保の度に口腔内をのぞき込み異物があれば除去する盲目的指拭法は行わない122 度に口腔内をのぞき込み、異物があれば除去する。盲目的指拭法は行わない。 窒息による意識消失であれば脈拍を触知していても胸骨圧迫を行う。6)医療者に申し送る□ 到着した医師・看護師に引き継ぎ、状況を概ね10秒以内で簡潔に報告する。 (キーワードの例:「窒息、腹部突き上げ法、背部叩打法」)(7)*蘇生チームによる心肺蘇生法(成人・小児・乳児、目撃例・非目撃例)(注)救急対応チームリーダーの指示のもと以下の処置を行う。1) 心電図波形を評価しVF / Pulseless VTであれば除細動を迅速かつ安全に行う。2) バッグ・バルブ・マスクや気管挿管で胸骨圧迫と人工呼吸を継続する。3) 末梢静脈路を確保し救急薬剤を投与する。4) 鑑別診断を考える。(8)*重症救急病態に対する救命治療(注)救急対応チームリーダーの指示のもと対応する。1) ショック2) 急性中毒3) 広範囲熱傷4) 多発外傷122Ⅲ−2 医学系OSCE

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