臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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18-18-Ⅱ-2医学系CBT各数値の説明1.項目反応理論について試験問題の難しさに左右されないその試験で測定したい知識力を推定することが可能とされているテスト理論です。欧米では有用性が確認され、大規模な試験に使用されています。共用試験のような各学生に対して試験問題をランダムに出題している試験の評価方法としては適切なものと考えられます。2.IRT標準スコアと6段階評価について1)項目反応理論を用いて各試験問題項目の特性(難しい問題であるかどうかなど)を 事前に推定します。基準集団を設定し、その基準集団の分布を用いて、能力評価 を行います。今回の基準集団は2006年度正式実施の全国結果より推定した分布 です。2)IRT標準スコアは、この事前に評価されている問題に対して、皆さんがどの難しさの 問題には正答して、どの難しさの問題には誤答するかにより、最も可能性の高い ものとして推定されたものです。3)IRT標準スコアが50である場合、基準集団(2006年度正式実施の全国結果より 推定された集団)の平均値と考えます。平均値(50)±10以内に68%の学生が 入ると想定しています。6段階評価はIRT標準スコアにより分類されたもので、6が 最も良好な能力レベルとしてあります。4)正答率との違い:正答率は個々の試験項目の特性が全て同じであるとして能力推定 しています。IRT標準スコアは個々の項目の特性が異なるものとして推定しています。 両者の相関係数は0.97と非常に関連が強いですが、上記の理由により、多少異なる 結果となる可能性があります。3.大学SDについて皆さんの大学の標準偏差(SD)を計算してあります。一般に山型の分布をしている場合、平均値±標準偏差の中にその集団の68%の学生が含まれます。4.コアカリ別・問題形式別得点各コアカリ・問題形式別に大学の平均値と標準偏差が計算されています。これを用いて、あなたのコアカリ別・問題形式別正答率から平均値を引き、標準偏差で割ることにより、どのコアカリにおいてもその分布の中の位置が分かります。この値が+であれば平均より大であり、1を超えていると集団内で上位16%グループの位置にある事を示します。Ⅱ−2 医学系CBT

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