臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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76Ⅲ.全身状態の把握全身状態の把握は診療の全過程を通して行われる。(1)診察時の配慮「Ⅰ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学習・評価項目」を参照(2)医療安全□ 高齢者や日常生活動作・意識に障害がある患者さんに転倒予防など適切な対 応をする。□ 診察を患者さんの安全に配慮した環境で行う。(3)第一印象□ 短時間で全身状態を推測する。□ *緊急度・重症度、精神状態により対応が異なることを理解する。1) 救急の対応を要する場合は「Ⅹ.救急」を参照(4)視診□ 体型・体格・発達を観察する:肥満、やせ、低身長、筋肉質など。 *小児の場合は成長・発達の状況も把握する。□ 身なりを観察する:清潔さ、化粧の状態や着衣の乱れなど。□ 体位・姿勢・動作を観察する:患者さんの体位(臥位・座位・立位など)、 起立、歩行、着・脱衣の様子、麻痺や振戦、不随意運動など。呼吸状態を観察す過呼吸努力性呼吸起座呼吸な76□ 呼吸状態を観察する:過呼吸、努力性呼吸、起座呼吸 など。□ 顔貌を観察する:苦悶様顔貌、仮面様顔貌、満月様顔貌など。□ 皮膚を観察する:蒼白、黄染、紅潮、チアノーゼなど。□ 浮腫を観察する:全身性浮腫、局所性浮腫。□ 躯幹・四肢を観察する:変形、欠損など。□ 眼鏡・補聴器・装具の有無を観察する。(5)触診□ 脈拍を触診する:頻脈、徐脈、不整、緊張など。□ 発汗の状態を把握する:乾燥、湿潤。□ 体表温を把握する:冷感、熱感。(6)反応□ 指示に対する反応:反応の早さ、適切さなど。(7)臭い76Ⅲ−2 医学系OSCE

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