臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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91 ➢左肋骨弓頭側に平手をおき、反対側の手拳の尺側面で優しく叩き、脾臓の叩打 痛の有無を診察する。□ 腎臓の叩打診 ➢側臥位または座位でCVA(cost-vertebral angle)に平手をおいて、反対側の 手拳の尺側面で優しく叩き、叩打痛の有無を診察する。平手をおかずに直接 叩打しないこと。両側で行い比較する。5)触診□ 触診の基本手技 ➢腹部を触って、診察することを説明する。 ➢手が冷たくないことを確認し、必要に応じて温める。 ➢手が冷たかったら、その旨を伝えるように促す。 ➢腹部の9領域(左上・中・下、中央上・中・下、右上・中・下)を触診する。 ➢痛みがあるとわかっている部位は最後に触診する。 ➢触診しながら口頭や顔の表情などで痛みを確認する。□ 浅い触診 ➢片手で、示指から小指まで指をそろえて浅く圧迫しながら触診する。指は立て ない。 ➢腹壁を1cm以上圧迫しない程度に行う。 ➢圧痛、筋抵抗、表層の臓器や腫瘤の有無を判断する。 ➢腹壁筋の筋抵抗は、随意・不随意の緊張の有無から判定する。(筋性防御・筋 強直)□ 深い触診➢片手または両手で(片手を腹壁におき反対の手で力を加え)深く探るよ91 ➢片手、または両手で(片手を腹壁におき、反対の手で力を加え)、深く探るよ うに触診する。 ➢手を押し下げ、少し手前に引くように触診する。 ➢腫瘤の有無を判断する。□ 肝臓の触診 ➢打診で推定した肝臓の下縁よりも十分に尾側の右鎖骨中線上に右(左)手をお く。 ➢左(右)手を背部におき、肝臓を持ち上げながら触診する。(肝臓を持ち上げ ないで片手で、あるいは両手を腹部に重ねるように添えて触診してもよい) ➢患者さんに腹式呼吸をしてもらい、呼気時に右(左)手の指を深く入れる。 ➢次の吸気時の腹壁の上がりよりも少し遅れて右(左)手が上がるようにして、 肝臓の下縁を触れる。 ➢示指、中指の指先(やや母指側)または肋骨弓に平行に置いた示指の母指側の 側面で触れる。 ➢手を置く部位を少しずつ頭側へ近づけながら触診を繰り返す。□ 脾臓の触診 ➢胸郭/肋骨籠(rib cage)を後ろから支える様に左(右)手を背部にあてる。 患者さんに右側臥位になってもらってもよい。 ➢右(左)手を左肋骨弓の尾側に置く。91Ⅲ−2 医学系OSCE

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