臨床実習開始前の「共用試験」第11版(平成25年)
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97 異常の有無を観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)臥位で患者の頭側から検査する場合には、患者と検者の顔が重ならないよ うにする。6)顔面の感覚□ 検査器具を見せながら、顔の触覚を検査することを告げる。□ 3 枝の各領域を区別して検査する。□ 領域毎に左右差の有無と領域間の差の有無を確認する。□ *痛覚についても同様に検査する。7)*角膜反射□ ティッシュペーパーか乾いた脱脂綿の先端を細くよじる。□ 検者の指を注視させて視線をややそらす。□ 角膜の虹彩部分(茶目の部分)をよじった細い先端で軽くふれ、瞬目を観察 する。□ 必ず両側を検査する。8)*咬筋と側頭筋□ 咀嚼運動を繰り返してほしい旨を告げる。□ 左右の咬筋を手指の手掌面で触れて筋収縮を確認する。□ 左右の側頭筋を手指の手掌面で触れて筋収縮を確認する。9)顔面筋□ 上方への眼球運動などにより額にしわ寄せをしてもらい、しわの出現の程度、 左右差を観察する。□両眼をギューッと固く閉じてもらいまつげ徴候の有無を観察する97□ 両眼をギューッと固く閉じてもらい、まつげ徴候の有無を観察する。□ 眼を開けてもらった後、見本を示しながら、歯を見せて「イー」と言っても らい、口角の偏位、鼻唇溝の左右差などを観察する。(口を固く閉じてもらっ てもよい)10)*聴力□ 指こすり、音叉などの音源を耳元に近づけ、聴力を評価する。 ➢検者の聴力を基準として、患者さんの聴力を確認する:指こすりの場合は、最 初に検者の耳で指こすりの音を確認し、次にその音を患者さんが聞き取れる か確認する。音叉の場合は、患者さんが聞こえなくなった時点で素早く検者 の聴力と比較する。 ➢指こすり、音叉などの音を、左右の耳から同じ距離で聞いてもらい、聞こえ方 に左右差があるかを尋ねる方法も行われる。 ➢音叉は、低音用(128Hz)と高音用(4000Hz)を使いわける。□ 聴力に異常がある場合、音叉を用いWeber試験、Rinne試験を行う。11)軟口蓋・咽頭後壁の動き□ 口を大きく開けてもらい、舌圧子とペンライトを使用し、軟口蓋・咽頭後壁 を観察する。□ 「アー」と少し長く声を出してもらい、軟口蓋の動き、偏位の有無、カーテ ン徴候の有無を観察する。97Ⅲ−2 医学系OSCE

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