臨床実習開始前の「共用試験」第12版(平成26年)
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Ⅲ-2 医学系OSCE  ど)の有無を観察する。2)つぎ足歩行□ 検者が、足の先と踵が交互につくようにしながら、 一直線上を歩く動作を見  本として示し、そのように歩いてもらう。(下手な場合には慣れるまで何度  か試みる)□ 歩行の異常(ふらつき、よろめきなど)の有無を観察する。□ 危険のないよう、患者さんの近くにいて見守る。(注)かかと歩行、つま先歩行、しゃがみ立ちは下肢筋力のスクリーニングに役   立つ。3)Romberg 試験□ 検者が、踵とつま先をそろえて立つ姿勢を見本として示し、そのように立っ  てもらう。□ 開眼のままで、体が動揺しないか、しばらく観察する。□ そばにいて支えるので、体がふらついても心配がないことを説明した上で、  患者さんに眼を閉じてもらう。□ 閉眼による体の大きな動揺がないかしばらく観察して、Romberg 徴候の有無  を判定する。□ 危険のないよう、患者さんのそばにいて見守る。(いつでも抱えられる体勢)(8)下肢の運動系の診察(臥位)1)体位や衣服の準備□ 寝た位置での診察を行うことを説明する。□ 靴下をぬいで、診察ベッドに寝てもらう。2)*Barré 徴候(下肢)□ 腹臥位で行う。□ 検者の手をそえて、良い肢位をガイドしながら、両膝関節を 90°曲げてもら  う。□ そのまま両足が接しないように膝を曲げた状態を維持してもらう。□ 下肢の下降の有無を判定する。(注)膝関節は45°曲げてもよい。3)踵膝試験□ 手で患者さんの下肢を持ち、次のようにガイドする。足関節を少し背屈した  状態で、踵を適度な高さから反対側の膝に正確にのせて、すねに沿って足首  までまっすぐ踵をすべらせる。□ 患者さんが理解したところで、実際にこの動作を2、3回行ってもらい、運  動の円滑さ、足のゆれや測定異常の有無などを観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)同様の検査が様々な名称、手技で行われているので、必ずしも上記の方法   と同一である必要はない。(注)膝叩き試験を追加してもよい。4)*筋トーヌス(膝関節)100

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