臨床実習開始前の「共用試験」第12版(平成26年)
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Ⅲ-2 医学系OSCE□ 患者さんへの配慮として、「背中を叩きます」など声をかけてから処置を行  う。□ 手掌基部で患者さんの肩甲骨の間を力強く連続して叩く。5)意識消失への対応□ 患者さんの反応がなくなったら、応援や資機材の依頼を行い、人工呼吸から  心肺蘇生法を開始する。この際、呼吸と脈拍の確認は行わない。気道確保の  度に口腔内をのぞき込み、異物があれば除去する。盲目的指拭法は行わない。  窒息による意識消失であれば脈拍を触知していても胸骨圧迫を行う。6)医療者に申し送る□ 到着した医師・看護師に引き継ぎ、状況を概ね10秒以内で簡潔に報告する。  (キーワードの例:「窒息、腹部突き上げ法、背部叩打法」)(8)バッグ・バルブ・マスクを用いた人工呼吸法(注)心肺蘇生法を救助者1名のみで行う場合は、バッグ・バルブ・マスクの使   用は推奨されない。(注)院内においては、複数の救助者で心肺蘇生を行う場合は感染防御等の観点   から、バッグ・バルブ・マスクの使用が推奨される。1)バッグ・バルブ・マスクを片手で保持して人工呼吸を行う方法□ 患者の鼻と口を覆うように、適切な位置にマスクを置く。□ 頭部後屈あご先挙上、もしくは下顎挙上法で気道を確保する。□ 中指、環指、小指を患者の下顎にかけて下顎を引き上げつつ、母指と示指で  マスクを保持し、患者の鼻と口を覆う(EC法)。□ 胸部の動きを見ながら1回に1秒かけて、胸が上がる程度の量を送気する。□ 胸部の動きがない場合は、気道を確保し直して換気を行う。□ 患者に呼吸は無いが脈拍を認める場合は、1分間に10回程度の回数で換気を行  う。2)バッグ・バルブ・マスクを両手で保持して人工呼吸を行う方法□ 熟練した救助者が複数いる場合は、2人法でバッグ・バルブ・マスクを用いる。□ 気道確保担当者は、両手でマスクの保持を行い、気道確保に専念する。その  際、両手の母指と示指でマスクを保持し患者の鼻と口を覆う(EC法)か、両  手の母指球でマスクの左右を押さえ、他の指で下顎を引き上げるようにして  マスクを密着させる(母指球法)。□ 換気担当者は、胸部の動きを見ながら1回に1秒かけて、胸が上がる程度の量  を送気する。□ 胸部の動きがない場合は、気道を確保し直して換気を行う。□ 患者に呼吸は無いが脈拍を認める場合は、1分間に10回程度の回数で換気を行  う。(9)*蘇生チームによる心肺蘇生法(成人・小児・乳児、目撃例・非目撃例)(注)救急対応チームリーダーの指示のもと以下の処置を行う。1) 心電図波形を評価しVF / Pulseless VTであれば除細動を迅速かつ安全に行う。121

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