臨床実習開始前の「共用試験」第12版(平成26年)
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Ⅲ-2 医学系OSCE□ 内果の背側やや下方に沿うように示指、中指(または中指、環指)の指先を  あてて、拍動を触知する。□ 両側の後脛骨動脈を同時に触診し、左右差を確認する。2)足背動脈の触診□ 仰臥位になってもらう。□ 長母趾伸筋腱を確認する(母趾をやや背屈させるとわかりやすい)。□ 長母趾伸筋腱のやや外側に示指、中指(または中指、環指)の指先をあてて、  拍動を触知する。□ 両側の足背動脈を同時に触診し、左右差を確認する。  (注)健常者でも足背動脈は触れにくいことがある。3)膝窩動脈の触診□ 仰臥位になってもらう。□ 一方の膝関節を軽く曲げた状態にして両手で保持する。□ 両手で包み込むように、母指は膝蓋骨の前面に置き、示指~環指(または~  小指)は指先を合わせる形で膝窩に深く入れる。通常は示指、中指の指先で  膝窩動脈の拍動を感じる。□ 両側を触知し左右差を確認する。4)*大腿動脈の触診□ 仰臥位になってもらう。□ 鼠径部を露出してもらう(羞恥心に配慮する)。□ 前腸骨棘と恥骨結合の中点付近の鼠径靱帯の下方にて、示指、中指(または  中指、環指)の指先で触知する。□ 両側を触診し、左右差の有無を確認する。5)*下腿の血圧(触診法)□ 後脛骨動脈を触診する。(足背動脈でも良い)□ ゴム嚢の中央が後脛骨動脈の真上にくるように上腕用のマンシェットを巻く。□ マンシェットの下端が内果の直上にあるように巻く。□ マンシェットは指が1、2本入る程度のきつさで巻く。□ 上腕の血圧測定と同じ手順で触診法により血圧を測定する。□ 上肢と下肢の血圧からAnkle-Brachial Index(ABI)を計算する。6)*大腿の血圧(聴診法)□ 腹臥位になってもらう。□ 膝窩動脈の走行を確認する。□ 大腿用マンシェットをゴム嚢中央が大腿後面で大腿の下1/3が覆われるように  巻く。□ 上肢の血圧測定(聴診法)と同じ手順で、膝窩動脈に聴診器をあて、血圧を測  定する。(8)下腿浮腫の診察□ 両側の足背部ないしは脛骨前面で浮腫の有無を見る。□ 母指または示指~環指の指腹で5秒以上(約10秒)圧迫し、圧痕の有無を観察79

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