臨床実習開始前の「共用試験」第12版(平成26年)
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Ⅲ-2 医学系OSCE  認する。□ 前胸部(胸骨下部および傍胸骨)の胸壁拍動を手掌近位部で確認する。□ 振戦(スリル)を手掌遠位部で4領域に相当する範囲を確認する。(注)心尖拍動は左側臥位で触れやすい。3)聴診□ 4領域{心尖部(第5肋間左鎖骨中線)・三尖弁領域(第4、5肋間胸骨左縁)・  肺動脈弁領域(第2肋間胸骨左縁)・大動脈弁領域(第2肋間胸骨右縁)}  を膜型で聴診する。  (4領域と表現しているが、各弁に相当するものではない。聴診は心基部から  心尖部に向かっても、心尖部から心基部に向かって聴診しても良い。なお、  聴診部位として4領域の他に第3肋間胸骨左縁Erbの領域も重要である)□ 心尖部はベル型でも聴診する。(注)臥位で診察するときは、仰臥位で4領域を聴取したあと、左側臥位で心尖部   をベル型で聴取する。□ 聴診音を同定する。 ➢Ⅰ音とⅡ音を同定する。 ➢肺動脈弁領域でⅡ音の分裂を確認する。 ➢心尖部でベル型を用いてⅢ音、Ⅳ音を確認する。(左側臥位でよく聞こえる) ➢雑音を聴取した場合には、収縮期雑音か拡張期雑音か区別する。(8)頸部血管の診察1)視診□ 外頸静脈を観察する。(正常では仰臥位で輪郭を認める。座位では認めない  ことが多いが、息こらえをすれば怒張し、確認できる)□ *上半身を45°に保ち、内頸静脈の拍動を観察する。2)聴診□ 下顎角直下約2cmのところの頸動脈の聴診をする。(両側)3)触診□ 一側ずつ頸動脈を甲状軟骨の高さで示指、中指(または母指)の指腹を使っ  て軽く触診をする。□ 触診は必ず聴診の後に行う。  (注)頸動脈硬化が強い場合には触診は行わない。87

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