臨床実習開始前の「共用試験」第12版(平成26年)
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Ⅲ-2 医学系OSCE  参考資料:「マクギーの身体診断学-エビデンスにもとづくグローバル・スタンダード原  著第2版」(診断と治療社、2009年)より引用  急性の腹痛、腹膜炎を検出する諸徴候  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――                                  尤度比(LR)                              ――――――――――   所見           感度(%)  特異度(%)  所見あり   所見なし  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   腹部の診察   筋性防御        13~76     56~ 97     2.6     0.6   筋強直          6~40     86~100     3.9      NS   反跳性圧痛       40~95     20~ 89     2.1     0.5   打診による圧痛      65       73       NS     0.5   異常な蠕動音      25~61     44~ 95      NS     0.8  直腸指診   直腸の圧痛       20~61     44~ 95      NS      NS  そのほかのテスト   腹壁圧痛テスト陽性    1~ 5     32~ 72     0.1      NS   咳嗽テスト陽性     73~84     44~ 79     1.8     0.4  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   NS = 有意差なし、所見ありの場合のLR = 陽性LR、所見なしの場合のLR = 陰性LR4)*腹部腫瘤の触診□ 浅い触診と深い触診とにより、腫瘤の有無を判断する。□ 腫瘤がある場合、L~Tを観察して表現する。  L:Location 位置  M:Mobility 可動性  N:Nodularity 表面の性状  O:relationship to Other organs 他臓器との関係  P:Pulsatility 拍動の有無  Q:Quality 硬さ  R:Respiratory mobility 呼吸性移動の有無  S:Size & Shape 大きさと形  T:Tenderness 圧痛の有無5)*直腸診(臨床実習前にはシミュレーターを用いて学習し、臨床実習では指導医の指導のもとで行う)□ 直腸診の目的を患者さんに説明する。□ 直腸診の方法の概略を患者さんに説明する。□ 患者さんが直腸診の内容を理解したことを確認し、実施の承諾を得る。□ 看護師(または他の医療職)が陪席していることを確認する。□ 患者さんに適切な診察体位(左側臥位または切石位)になってもらう。□ 直腸診に必要な部位以外はバスタオルで覆う。□ 両手もしくは右(左)手に処置用手袋をたるみなく着用する。92

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