臨床実習開始前の「共用試験」第12版(平成26年)
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Ⅲ-2 医学系OSCE12)舌□ 舌を見たいことを告げ、口を大きく開けてもらい、舌の萎縮と線維束性収縮  の有無を観察する。□ 検者が見本を示した上で、 舌をまっすぐに出してもらい、 舌の偏位の有無  を観察する。13)*胸鎖乳突筋□ 頸部の筋肉の検査を行うことを告げ、手で方向を示しながら、側方を向いて  もらう。□ 顎に手をあてることを告げ、患者さんの顔を向けた側の顎に検者の手掌をあ  てがい、反対側の手を肩に置く。□ 検者の手で顎を引き戻すので、負けないように頑張って力を入れてほしいこ  とを告げる。□ 胸鎖乳突筋の筋力を判定する。□ 反対側の手で収縮した胸鎖乳突筋を触診する。□ 必ず両側を検査する。(5)上肢の運動系の診察(座位)1)上半身の不随意運動□ 手を膝においてゆったりと座ってもらう。□ 安静時の振戦、その他の不随意運動(頭部の振戦、舞踏運動など)の有無を  観察する。□ 両上肢を前方に伸ばし、手掌を下に向けて指を少し広げてもらい、手指の姿  勢時振戦の有無を観察する。□ 指を広げたままで手首を背屈してもらい、固定姿勢保持困難(asterixis、羽  ばたき振戦と言われることもあるが厳密には振戦ではない)の有無を観察す  る。□ 臥位で固定姿勢保持困難を観察する場合には、両上肢を水平から約45度挙上  し、指を広げたままで手首を背屈してもらう。(注)その他の上半身の不随意運動も臥位で評価できる。2)Barré 徴候(上肢)□ 良い肢位をガイドしながら、両上肢を前方に伸ばし、手掌を上に向け指をつ  けてもらう。□ 両眼を閉じてもらい、そのまま水平を保つよう頑張ってもらう。□ 上肢の降下、手掌の凹み、前腕回内、肘関節屈曲の有無を観察する。3)筋トーヌス(肘関節)□ 検者が患者さんの手を動かすので、患者さんは力を抜いて、自分では手を動  かさないようにしてほしい旨を伝える。 □ 左手で患者さんの肘関節伸側を軽く持ち、右手で患者さんの手を持って、肘  関節の屈曲伸展を適切なスピードで繰り返す。□ 筋トーヌスの異常(筋強剛、痙縮など)の有無を判定する。□ 必ず両側を検査する。97

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