臨床実習開始前の「共用試験」第13版(平成27年)
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   手指は消毒後も滅菌状態ではないので、滅菌手袋の外表面に触れると手袋   の無菌性が失われたと判断する。 □ 左手の4本の指を反対側手袋の折り返しの部分(表面に当たる部分)に入れ   て取り上げる。 □ 右手に清潔かつスムーズに手袋を装着する。 □ 手袋の折り返しを延ばし、手袋を手に十分にフィットさせる。 □ 滅菌手袋装着後の清潔状態を保つ。 □ 使用した手袋などを感染性廃棄物として廃棄する。 □ 手袋の包装紙などの汚染のないものは非感染性廃棄物として廃棄する。   手袋をしたまま触れた包装紙などは感染性廃棄物として廃棄する。 □ 手袋をはずした後は手指消毒または衛生的手洗いを行う。(5)静脈採血(真空管採血の場合を主に記載した。)1)採血前の確認 □ 本人確認のためという目的を告げ、患者さんに姓名を名乗ってもらう。 □ 採血に関して説明して同意を得る。 □ アルコール過敏性を尋ねる。過敏性があれば、他の消毒薬に変更する。 □ 以前に採血等で気分が悪くなった事がないかなど迷走神経反射の既往を尋   ねる。 □ 患者さんの姓名と採血管ラベルの姓名を声を出して照合する。2)採血手技 □ 手袋を左右の手に着用する。 □ 真空採血管ホルダーと採血用の針を組み立てる。   シリンジ採血の場合:シリンジと採血針をセットする。 □ 採血する腕の肘関節をできるだけ伸展した状態で、採血予定部位から7~   10cm程度の中枢側に駆血帯を適切に巻く。 □ 穿刺部位を指で触って静脈の走行を確かめて穿刺予定部位を決める。 □ 適切に皮膚消毒する。(消毒薬の乾燥を待つ。) □ 消毒が終了した後に穿刺予定部位に触らない。 □ 穿刺直前に採血針のキャップを外す。 □ 穿刺ポイントの手前の皮膚を母指で軽く引っ張る。 □ 採血針を静脈の走行に沿い、皮膚面に15度~30度の角度で適切に静脈に穿   刺する。   この際、採血針の切り口は上に向ける。   (注)穿刺する角度が大きいと深部の神経を損傷する危険性が増すため、   浅い角度での刺入を心がける。また、穿刺が深くなり過ぎないよう注意す   る。   (注)穿刺したが血液の流入が見られない場合、針を少しだけ進めてみる、   または、引いてみる。この際、針の角度を大きくしたり、針先の方向を左   右に変えて進めてはいけない。   (神経損傷・動脈穿刺の危険性があるため)121

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