臨床実習開始前の「共用試験」第13版(平成27年)
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(注)電極パッドを貼る部位に経皮的薬剤があれば除去し、胸部が濡れていたら   拭き取り、植込み型のペースメーカーや除細動器があれば膨らみを避けて   電極パッドを貼る。胸毛により電極パッドが密着しない場合は除毛する。   なおこの間も胸骨圧迫の中断は最小限になるよう努力する。□ AEDによる解析の際や放電の際には、全員に患者さんから離れるように指示し、  周囲を見て確認し安全を確保する。□ 解析や放電の後、医師・看護師に指示されるまで電極パッドは剥がさず、電  源は入れたままにしておく。音声指示に従い、胸骨圧迫などを行う。  (注)解析や放電の直後、音声指示の前に胸骨圧迫を再開するのは許容され  る。□ AEDの指示に従い、医師・看護師に引き継ぐまで、あるいは患者さんが動き出  すまで上述の処置を続ける。AEDによる解析や除細動、呼吸と循環の確認など  のタイミングは、基本的にAEDの音声指示による。9)医療者に申し送る□ 到着した医師・看護師に胸骨圧迫を引き継ぎ、状況を概ね10秒以内で簡潔に  報告する。  (キーワードの例)「目の前で倒れた」「心肺停止」「除細動した」10)*質の管理□ 胸骨圧迫の質が低下しないように胸骨圧迫の役割を1~2分ごとに交代するこ  とを考慮する。(3)小児への心肺蘇生法(注)ここでは心肺停止で倒れたところを目撃された小児患者への対応について、   成人との違いのみ記載した。□ 脈の確認は、頸動脈または大腿動脈で行う。□ 小児の場合も、心肺停止状態と判断したら、直ちに胸骨圧迫を開始するが、  小児の心肺停止の原因は呼吸原性のことが多いので、感染防護具が手に入り  次第、人工呼吸を行う。□ 脈拍60/分以下の徐脈で、かつ、末梢循環障害があれば胸骨圧迫を行う。□ 救助者が1人の場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は30:2とする。□ 医療従事者が2人以上いる場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は15:2とする。□ 胸骨圧迫では、小児では圧迫の深さは胸の厚さの1/3程度として強く圧迫する。  体の大きさを考慮し片手で圧迫してもよい。□ AEDを使用する際、未就学児(1~6歳)では小児用電極パッドを使用する。小  児用電極パッドが無ければ成人用電極パッドで代用するが、パッド同士が接  触しないように適切な位置に貼る。(4)*乳児への心肺蘇生法(注)ここでは突然ぐったりしたところを目撃された乳児患者への対応について、   成人・小児との違いのみ記載した。□ 反応の確認は、肩もしくは足底で行う。132

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