臨床実習開始前の「共用試験」第13版(平成27年)
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□ 血圧計を使用できる状態にセットする。□ マンシェットの大きさが患者さんの年齢や体格に対して適切であることを確  認する。□ 坐位の場合、枕や支持台を利用して上腕の位置が心臓の高さとなるように調  節する。□ 十分に上腕を露出する。□ 肘が曲がらないようにする。  (注)特に坐位のときに注意が必要である。□ 上腕動脈を触診して位置を同定する。□ マンシェットのゴム嚢の中央が上腕動脈の真上にくるように巻く。ゴム管は  頭側でも末梢側でもよい。□ マンシェットの下端と肘窩との間隔は約2cmあけて巻く。□ マンシェットは指が1-2本入る程度のきつさで巻く。5)触診法による上肢の血圧測定(坐位・仰臥位)□ 橈骨動脈を適切に触れる。肘窩上腕動脈でもよい。□ カフ圧を70mmHgまで速やかに上昇させその後10mmHgずつ上げてゆく。□ 橈骨動脈の脈が触れなくなった圧からさらに20-30mmHg上まで速やかに上昇さ  せる。□ その後、1秒間に2mmHgずつカフ圧を下げる。□ 脈が触れ始める値を収縮期血圧とする。□ 収縮期血圧値が決定した後は急速にカフ圧を下げる。6)聴診法による上肢の血圧測定(坐位・仰臥位)□ 聴診器のイヤピースを外耳道の方向にあわせて装着し、チェストピースを適  切に把持する。□ 聴診器のチェストピースを肘窩の上腕動脈の上に置く。膜型でもベル型でも  よい。□ 触診法で決定した収縮期血圧から20~30mmHg上までカフ圧を速やかに上げる。□ その後、1秒間に2mmHgずつカフ圧を下げる。□ Korotkoff(コルトコフ)音が聞こえ始めた値を収縮期血圧とする。□ Korotkoff(コルトコフ)音が聞こえ始めても、同じスピードでカフ圧を下げ  る。□ Korotkoff(コルトコフ)音が聞こえなくなった値を拡張期血圧とする。ただ  し、Korotkoff(コルトコフ)音が聞こえなくなっても10mmHgはゆっくりカフ  圧を下げ、再度聞こえることがないのを確認する。  (注)聴診間隙を確認する目的である。□ それ以後は急速にカフ圧を下げる。□ 30秒おいてもう1回測定し、2回の平均値をとって血圧とする。□ 同様に反対側の血圧を測定する。  (注)初診では必ず両側で測定する。□ 血圧値を正しく述べる。単位mmHgをつけて、収縮期血圧/拡張期血圧の順に記  録する。83

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