臨床実習開始前の「共用試験」第14版(平成28年)
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Ⅸ.基本的臨床手技(注1)医療安全、感染性廃棄物(血液・体液などで汚染されたゴミ)の処理、医  療器具・物品の使用法などに関しては、施設により取り決めが異なることが  ある。いずれも、各施設の規定(マニュアル・ガイドライン等)にしたがっ  て実習を行う。(注2)臨床実習前の学習および評価はシミュレーターを用いて行う。(注3)手技が確実に行われるなら、左右は問わない。 【一般手技】(1)診察時の配慮「Ⅰ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学習・評価項目」を参照。(2)医療安全 □ 採血時には本人確認のためという目的を告げ、患者さんに姓名を名乗って   もらう。 □ 採血時には患者さんの姓名と採血管ラベルの姓名を声を出して照合する。 □ アルコール過敏性を尋ねる。過敏性があれば、他の消毒薬に変更する。 □ 以前に採血等で気分が悪くなった事がないかなど迷走神経反射の既往を尋   ねる。 □ (静脈を)穿刺する角度が大きいと深部の神経を損傷する危険性が増すた   め、浅い角度での刺入を心がける。また、穿刺が深くなり過ぎないよう注   意する。  □ 静脈穿刺により患者さんが強い痛みを訴えた場合は、すぐに針を抜去する。 □ 針刺し事故防止のため採血針にリキャップをしない。 □ 針をシャープス・コンテナに廃棄する。 □ 操作前に衛生的手洗いを行う。 □ 男性の持続的導尿時には 尿道損傷を生じる恐れがあるので、カテーテル挿   入途中で抵抗が強い場合は無理に押し込まない。 □ 使用した消毒綿球や手袋などを感染性廃棄物として処理する。 □ 操作終了後に手指消毒を行う。 □ 滅菌済みの器具は適切に取り扱う。 □ 操作中、患者さんに不安感を与えるような不適切な言動はしない。(3)手指消毒・衛生的手洗い1)速乾性アルコール手指消毒薬(以下、速乾性消毒薬)による手指消毒(20~30秒程度を費やして十分に擦り込む。) □ 目に見える汚れがないことを確認する。103103

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