臨床実習開始前の「共用試験」第14版(平成28年)
5/168

-3-はじめに臨床実習開始前の「共用試験」第14版(平成28年)をお届けいたします。医学・歯学教育の改善を目指して,平成14年から開始された「臨床実習開始前の共用試験」も全国の医科大学・医学部,歯科大学・歯学部の教職員各位,学生諸君のご協力と社会的な支持を得て,準備のための4回の試行(トライアル)を行った後,平成17年12月から正式実施(2006年度共用試験)が開始され,第11回(2016年度共用試験)まで無事終了しました。この冊子には,CBTとOSCEの概要や全国成績の解析結果が記載されていますので,参照してください。また,CBTの公開問題も掲載されていますので,参考にしてください。医師・歯科医師の資格のない学生が患者さんに接して臨床実習を行うためには,医療の安全や患者との良好なコミュニケーション能力を含めた必要不可欠な基本的知識・技能・態度が充分に備わっているかについて,事前に学生の評価を行い,患者さんの了解を得ることが求められてきました。「臨床実習開始前の共用試験」は,「総合的に質の高い医療を提供する」ための医学・歯学教育改善の原点に立ち返り,臨床実習の充実を目指して医学系・歯学系の大学・学部等が自主的に参加し,モデル・コア・カリキュラムに準拠した全国共通の標準評価試験を実施し,学生が臨床実習を始める前に備えるべき必要最低限の総合的知識及び基本的診療技能と態度を評価しています。すなわち,共用試験は,医学系・歯学系の大学・学部等が社会に教育の質を保証することを目的としています。共用試験の成績は,各大学の成績とともに臨床実習開始前の進級判定等に用いられています。今後,臨床実習の改善・充実のために,共用試験の位置付けをより明確にすることが求められています。医学系・歯学系の学生・教職員のみならず,広く医学・医療関係者,社会一般及び国民の皆様におかれましても「臨床実習開始前の共用試験」の意義をご理解いただき,共用試験の円滑な運用へのご協力と改善へのご指導を賜りますようお願い申し上げます。平成28年11月公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構理事長髙久史麿3終了しました。

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る