臨床実習開始前の「共用試験」第14版(平成28年)
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Ⅲ.全身状態とバイタルサイン(注)全身状態の把握は診療の全過程を通して行われる。(1)診察時の配慮「Ⅰ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学習・評価項目」を参照。(2)医療安全□ 高齢者や日常生活動作〈ADL〉・意識障害、認知症、視力や聴力の障害がある  患者さんに対し転倒予防など適切な対応をする。□ 診察を患者さんの安全に配慮した環境で行う。□ 血圧測定時、マンシェットの加圧で患者さんに苦痛、傷害を与えないように  する。□ 体温計の使用前または使用後にアルコール綿で清潔にし、体温測定時、体温  計が体液等により汚染されていないように留意する。(3)第一印象□ 短時間で全身状態を推測する。□ *緊急度・重症度、精神状態により異なる対応をする。  (救急の対応を要する場合は「Ⅹ.救急」を参照。)(4)視診□ 体型・体格・発達を観察する。肥満、やせ、低身長、筋肉質など。   *小児の場合は成長・発達の状況も把握する。□ 栄養状態を観察する。□ 身なりを観察する。清潔さ、化粧の状態や着衣の乱れなど。□ 体位・姿勢・動作を観察する。体位では、臥位・坐位・立位など。姿勢・動  作では、起立、歩行、着・脱衣の様子、麻痺や振戦、不随意運動など。  (「Ⅶ.神経」および「Ⅷ.四肢と脊柱」を参照。)□ 呼吸状態を観察する。過呼吸、努力性呼吸、起坐呼吸 など。  (「(9)バイタルサイン(2)呼吸の観察」を参照。)□ 顔貌を観察する。苦悶様顔貌、仮面様顔貌、満月様顔貌など。□ 皮膚を観察する。蒼白、黄染(球結膜を含む)、紅潮、チアノーゼ(口唇を  含む)、刺青など。□ 浮腫を観察する。全身性浮腫、局所性浮腫。  (「(10)下腿の浮腫」を参照。触診も併せて行うこともある。)□ *ツルゴール(皮膚の緊張性)の低下を評価する□ 躯幹・四肢を観察する。変形、欠損など。  (「Ⅶ.神経」および「Ⅷ.四肢と脊柱」を参照。)6666

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