臨床実習開始前の「共用試験」第14版(平成28年)
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□ 左手で患者さんの肘関節伸側を軽く持ち、右手で患者さんの手を持って、肘  関節の屈曲伸展を適切なスピードで繰り返す。□ 筋トーヌスの異常(筋強剛、痙縮など)の有無を判定する。□ 必ず両側を検査する。(注)上肢の筋トーヌスは前腕の回内・回外、手関節の屈伸でも評価できる。4)鼻指鼻試験□ 検者の右示指を出して見せ、患者さんにも同じように指を出してもらう。□ 左手で患者さんの指のつけねあたりを持ち、検者の右示指の指尖と患者さん  の鼻のあたまとの間を行ったり来たりする動作を2、3回ガイドする。□ 患者さんが手を伸ばすとようやく指に届く程度の距離で検査を行う。□ 検者の指は少しずつ位置を変えるので、頑張って指を付けてほしい旨を伝え  る。□ 運動の円滑さ、振戦や測定異常の有無などを観察する。□ 必ず両側を検査する。5)手回内・回外試験□ 検者が見本を示しながら、両手を前に出し、軽く肘を屈曲して手の回内と回  外をできるだけ速く反復してもらう。(注)片手ずつ行ってもよい。肘は伸ばしてもよい。□ 反復拮抗運動不能(dysdiadochokinesis、adiadochokinesis)の有無を判定  する。6)*上肢・体幹の視診□ 上半身を露出してもらい、上肢・体幹の筋萎縮、線維束性収縮の有無を観察  する。(6)握力と上肢の徒手筋力テスト(坐位)1)利き手の確認と徒手筋力テストの判定法□ 利き手を確認する。□ 重力の負荷がかかる肢位で、他動的な関節可動域の最終点で最大の力を出し  てもらい、これに対して検者が抵抗して評価する。□ 抵抗はゆっくり徐々に増すように加える。□ 重力に抗しての関節の動きが不完全な場合、重力の負荷がかからない肢位で  関節可動域を観察する。□ 6段階評価の基準に従って判定する。  5:強い抵抗に抗して肢位の保持が可能。  4:弱い抵抗に抗して肢位の保持が可能。  3:重力に抗して全関節可動域の運動が可能。  2:重力を取り除けば全関節可動域の運動が可能。  1:筋の収縮はみられるが関節の運動はみられない。  0:筋の収縮もみられない。2)*握力□ 握力計を渡し、握る部位を指示して、片方の手で強く握ってもらう。8989

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