臨床実習開始前の「共用試験」第15版(平成29年)
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─ 168 ─-168-臨床実習後OSCEについて(予告)現在行われている共用試験OSCEは,臨床実習開始前の医学部・歯学部の学生を対象にした「診療参加型臨床実習をさせてよいと判断できる態度や技能が修得されているか」を標準化された課題を用いて測定しようという「臨床実習前OSCE」です。現在,機構では,診療参加型臨床実習を行った医学部・歯学部の学生が「医学部・歯学部を卒業させてよい」と判断できる臨床能力を修得しているか,すなわち卒業後「臨床研修をスムースに開始できる臨床能力を身につけているか」を測定するための「臨床実習後OSCE」の実施に向けての準備を進めています。この「臨床実習後OSCE」は,各医学部・歯学部における卒業判定の資料として活用されることになるでしょう。現在の医師国家試験・歯科医師国家試験には技能や態度についての評価が含まれていないため,各大学が責任を持って自大学の学生の卒業時レベルの技能や態度の能力を担保しようとするものです。機構では,共用試験としての「臨床実習後OSCE」を計画中で,ここにその計画の概要を示します。○医学系で計画中の「臨床実習後OSCE」の概要(2017年9月現在)1.診療参加型臨床実習を通じて,十分な臨床能力が修得できているかを測定し,機構が提供した課題(以下「機構課題」という。)については,その結果を各大学に報告します。2.OSCE実施に際しては,一定数の機構課題のほかに,各大学が自由に作成した課題(以下「大学課題」という。)を用います。3.機構課題は,ある症候ないし症状を有する模擬患者に,適切な医療面接を行い,その場で身体診察を実施,それらから得られる情報を整理して指導医に報告する,あるいは検査計画を立て,その結果から病態を解析する等,日常の診療に則した内容とします。4.機構課題は,1課題の試験時間を15~20分とし,3課題を用いた実施を目標とします。5.評価は,自大学の評価者のほか,機構が認定した評価者資格を有する他大学の教員および臨床研修病院の指導医が,実施大学に赴いてこれに当たります。6.機構課題の評価結果は,実施大学に報告され,各大学では大学課題の実施結果と総合して意思決定(合否判定)を行います。7.今後の予定としては,2017年度は23大学でトライアルを実施し,2018年度は40大学でのトライアルを予定,2019年度は全大学での最終トライアルを予定,2020年度には全大学での正式実施を行う予定です。8.上記のトライアルの結果を踏まえ,さらなる改訂ならびに実施上の細目を決定していく予定です。

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