臨床実習開始前の「共用試験」第15版(平成29年)
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─ 4 ─-4-Ⅰ.共用試験の概要Ⅰ-1共用試験の概要(1)従来の我が国の医師・歯科医師の育成の問題点①記憶主体の学習,見学型の臨床実習,基本的臨床能力の不足②科目担当教員まかせの教育内容と学生評価③医療倫理・安全管理・態度及び臨床技能教育の欠如④国家試験合格後,専門医育成が優先⑤大学における教育プログラムと内容についての基準が明確に設定されておらず,その評価も行われてこなかった状況(2)医学・歯学教育改革の方向①基本となる必要不可欠な医学・歯学教育内容の設定・モデル・コア・カリキュラムとして提示・臨床実習開始前に到達すべきレベルの設定・臨床実習の改善医師法・歯科医師法(見学型から診療参加型へ)の違法性の阻却要件②医療倫理・安全管理・基本的臨床能力の育成を充実③選択カリキュラム設定で各大学の特色④学習到達度の全国的な標準評価法の検討・医師・歯科医師としての資格のない学生が診療チームの一員として患者さんに接して医行為を行いうる不可欠な要件として,事前に学生の能力と適性を評価し,質を保証する必要・臨床実習開始前の共通の標準評価試験としての共用試験の導入・知識の総合的理解力については,コンピュータを用いた客観試験(ComputerBasedTestingCBT)で評価し,診療に参加する学生に必要な基本的診療技能・態度については,客観的臨床能力試験(ObjectiveStructuredClinicalExaminationOSCE)で評価⑤国際的にも遜色のない医学・歯学教育内容の質を確保する必要⇒臨床実習開始前の共用試験により診療参加型実習の充実を図り,社会の求める優れた医師・歯科医師の育成を行う。6年間の医学・歯学教育課程臨床研修必修化医:平成16年~臨床実習開始前臨床実習歯:平成18年~国家試験臨床実習開始前の共用試験(CBTとOSCE)共用試験=学生の能力と適正について全国的に一定水準を確保するための全国共通の標準試験

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