臨床実習開始前の「共用試験」16版(平成30年)
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─ 102 ─  前額の境に診察者の手を置いて、上から下に軽く押す。どちらかの(あるい  は両側の)上肢に放散するしびれあるいは痛みが出るかを尋ねる。□ 椅子に座った状態で、体幹を傾けずに首を左右どちらかの斜め後ろにそらし  てもらい、そらした側の頭頂部と前額の境に診察者の手を置いて、上から下  に軽く押す。同側で肩甲部あるいは上肢に放散するしびれあるいは痛みが出  るかを尋ねる。反対側も行う。□ 脱衣を指示し、背部全面を露出してもらう。□ 診察者に背を向けて、まっすぐ立ってもらう。後ろから見て両肩の高さが水  平であるかを観察し脊柱側弯の有無を評価する。□ そのまま、横から見て体幹が前方に曲がっていないかを観察し、脊柱の過度  の後弯の有無を評価する。□ 立位で、両手が膝につく程度に前に曲げてもらう。後ろから見て肩甲骨や胸  郭の膨らみの左右差がないかを観察し、胸郭変形の有無を評価する。□ 続けて、腕を前に下ろし床に指先をつけるよう、できるだけ体を前に曲げて  もらい、胸腰椎屈曲の可動性を観察する。  (注)通常の可動域は、中指の指尖が膝関節より下に位置する程度である。□ 直立位までもどり、体を後ろにそらしてもらい、胸腰椎伸展の可動性を観察  する。  (注)全く伸展しない場合は可動域制限があると判断する。下□ 診察台にまっすぐ仰向けに寝てもらい、片方の踵もしくはアキレス腱部の下  に手を入れる。力を入れないようにしてもらい、下肢を伸ばしたまま上にゆっ  くり持ち上げる。同側の下肢に放散するしびれあるいは痛みが出るかを尋ね  る。症状が出た角度で止め、その角度を観察する。  (注)疼痛が誘発されない場合の挙上角度は70°以上である。の□ 椅子に座って、体を軽く前屈してもらい、頸椎部から腰椎部までの棘突起お  よび傍脊柱筋を軽く押して痛みが出るかを尋ねる。□ 椅子に座って、体を軽く前屈してもらい、胸椎部から腰椎部までの棘突起を  握った拳で軽く叩き、痛みが出るかを尋ねる。のの部□ 肘関節以遠を露出してもらう。□ 椅子に座ってもらい、肘関節の発赤、腫脹、変形の有無を観察する。□ 肘関節を触診し、熱感の有無を確認する。□ 肘関節の外側上顆および内側上顆を軽く押し、痛みが出るかを尋ねる。□ 手関節の発赤、腫脹、変形の有無を観察する。□ 手関節を触診し、熱感の有無を確認する。□ 手関節を手背側から軽く押し、痛みが出るかを尋ねる。102

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