臨床実習開始前の「共用試験」16版(平成30年)
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─ 103 ─□ 指関節の発赤、腫脹、変形の有無を観察する。□ 指関節を触診し、熱感の有無を確認する。□ 母指のMP、IP関節および示指から小指までのMP、PIP、DIP関節を診察者の手  で上下に軽く挟み、痛みが出るかを尋ねる。示指から小指までのMP関節をま  とめて診察者の母指とその他の指で挟んでもよい。□ 関節毎に両側を診察し比較を行う。可□ 腕を下にさげた位置から、肘を伸ばしたまま上肢全体を前方から挙上して、  頭の上で手のひらを合わせてもらい、肩関節屈曲の可動域(自動運動)を観  察する。  (注)通常の可動域は、180°である。□ そのままの位置から、頭の後ろで手を組んでもらい、肩関節外転および外旋  の可動域(自動運動)を観察する。  (注)手を組めなければ、あるいは左右差があれば可動域制限があると判断  する。□ 手を下から背中に回してもらい、肩関節内旋の可動域(自動運動)を観察す  る。  (注)手を背中に回せない、あるいは左右差があれば可動域制限があると判  断する。□ ふたたび腕を下にさげてもらい、そこから肘を曲げて手指で同側の鎖骨に触  れ、さらに腕と手を前にまっすぐ伸ばしてもらい、肘関節屈曲・伸展の可動  域(自動運動)を観察する。  (注)通常の可動域は、屈曲130°、伸展0°である。□ 上腕を体側に付け、肘を直角に曲げて、手掌を垂直に保つ(「小さく前にな  らえ」の姿勢)。  手掌が下を向くように手首を回してもらい、続けて手掌が上に向くように手  首を回してもらい、前腕の回内および回外の可動域(自動運動)を観察する。 (注)通常の可動域は、回内、回外とも90°である。□ 手のひらを下に向けた状態で、手関節を上と下に動かしてもらい、手関節背  屈・掌屈の可動域(自動運動)を観察する。  (注)通常の可動域は背屈70°、掌屈90°である。□ 手のひらを下に向けた状態で、指をまっすぐに伸ばしてもらい、指関節伸展  の可動域を観察する。そのまま、指を屈曲して握り拳を作ってもらい、指関  節屈曲の可動域(自動運動)を観察する。  (注)指の伸展や握り拳を作ることができなければ可動域制限があると判断  する。下のの部□ 膝関節以遠を露出してもらう。のの□ 診察者に背を向けて、まっすぐ立ってもらう。後ろから見て骨盤の高さが水  平であるかを観察し脚長差の有無を観察する。必要なら左右の腸骨稜を触っ  て確認する。103

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