臨床実習開始前の「共用試験」16版(平成30年)
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─ 64 ─  切なガウンを着用する。(例)対象となる患者さんが被覆してない分泌物や排泄物をもっていて、直接患者さんに接触しなければならない場合。□ その患者さんの周囲から離れるときは、ガウンを外し手指衛生を行う。なお、  たとえ同じ患者さんにくりかえす接触をすることがあっても、ガウンは再利  用しない。・・□ これから行う医療行為で、血液・体液・分泌物・浸出物あるいは排泄物がし  ぶきとなったり、スプレー状になる可能性がある場合は、口・鼻・眼の粘膜  を守るためにPPEを使用する。マスク・フェイスシールド・ゴーグルを選び、  またその業務にあわせてそれらを組み合わせる。(例)咳をしている患者さんに、1m以内での医療面接や診察などの医療行為を行う場合はマスクを使用する。米国CDC隔離予防のガイドライン2007勧告事項標準予防策よりさらに抜粋翻訳した。勧告されている標準予防策にはここに掲載した以外の事項もあることを留意すること。 患者さんの視点に立った安全性の高い医療の提供が社会的責務である。医療安全に関する知識の習得に加え、ダブルチェックやチェックリスト法などの具体的な事故予防に関する手技の習得が必要である。さらに、医療上の事故の予防に加え、発生後の対応に関する学習も必要である。また、医療従事者自身の安全確保に関する学習内容も盛り込むことが適当である。このような学習は医学生が臨床実習開始前までに行う必要があり、また実習施設の実情に合わせた内容で行うことが重要である。 実習施設における急変患者さんへの対応は、原則として医療従事者が行うべきであるが、医療従事者が到着するまでの間、医学生が対応せざるを得ない状況も考えられる。従って、急変患者さんへの対応については、臨床実習開始前から臨床実習を通して十分に学習する必要がある。64

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