臨床実習開始前の「共用試験」16版(平成30年)
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─ 74 ─□ 耳鏡にスペキュラを装着して、横から覗きながら外耳道内へ耳鏡の先端を挿  入する。□ 安全確保のため耳鏡を保持している手の一部を患者さんの頭部に当てて固定  し、耳鏡を覗きながら痛みを生じないように注意深く先端を進める。□ 耳鏡で外耳道・鼓膜を観察する。発赤、腫脹など。(注)耳鏡の挿入による外耳道への傷害を起こさないように十分に配慮する。臨   床実習前にはシミュレーターを用いて学習し、臨床実習では指導医の指導   のもとで行う。□ 必ず両側を診察する。・□ 鼻の全体の形状、皮膚の所見を観察する。変形、皮疹など。□ 副鼻腔(上顎洞・前頭洞)の圧痛、叩打痛を確認する。□ *片方ずつ鼻翼を圧迫して鼻孔を塞ぎ、呼気または吸気で通気を確認する方  法や、金属板の曇りを確認する方法などにより鼻閉塞の有無を確認する。□ *鼻鏡を用いて鼻腔を観察する。□ 必ず両側を診察する。・・□ 口唇を観察する。チアノーゼ、水疱、色素沈着など。□ 歯を観察する。欠損、う歯、色素沈着など。□ 歯肉を観察する。発赤、腫脹、出血など。□ 頬粘膜を観察する。潰瘍、出血、白苔など。□ 舌を観察する。舌を観察することを告げ、口を大きく開けてもらう、または  舌を出してもらい舌背を観察する。適切な指示(例「舌を右に寄せてくださ  い。」など)、または舌圧子の使用により舌縁を観察する。腫瘤、潰瘍、舌  乳頭萎縮など。□ 口腔底・舌下面を観察する。適切な指示により舌を挙上してもらい、口腔底・  舌下面を観察する。腫瘤、舌小帯短縮など。□ 硬口蓋を観察する。口蓋を十分に観察できるように、患者さんに頸部を後屈  してもらう、または観察者が下方から口蓋を覗き込む。腫瘤、潰瘍、出血斑  など。□ 軟口蓋・咽頭後壁を観察する。発赤、腫脹、リンパ濾胞の腫大など。□ 口蓋扁桃を観察する。腫脹、左右差、発赤、白苔など。□ ペンライトを適切に使用する。観察部位に的確に光を当て、口腔内に入れた  り口唇に触れたりしないようにする。□ 軟口蓋および咽頭後壁、口蓋扁桃を観察する際には、"あー"と発声してもら  うなどの方法で十分な視野を確保する。□ 舌圧子を用いて診察する際、咽頭後壁観察時は舌の中央部を舌圧子で押し下  げ、頬粘膜や歯・歯肉の観察時は舌圧子で頬粘膜を歯列から引き離す。□ 舌圧子は不潔にならないように操作し、使用後は感染性廃棄物として適切に  処理する。□ 必ず両側を診察する。□ 耳下腺を触診する。示指~環指の指腹を使って触診する。74

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