臨床実習開始前の「共用試験」16版(平成30年)
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─ 90 ─□ 検者が見本を示した上で、 舌をまっすぐに出してもらい、 舌の偏倚の有無  を観察する。□ 頸部の筋肉の検査を行うことを告げ、手で方向を示しながら、側方を向いて  もらう。□ 顎に手を当てることを告げ、患者さんの顔を向けた側の顎に検者の手掌をあ  てがい、反対側の手を肩に置く。□ 検者の手で顎を引き戻すので、負けないように頑張って力を入れてほしいこ  とを告げる。□ 胸鎖乳突筋の筋力を判定する。□ 反対側の手で収縮した胸鎖乳突筋を触診する。□ 必ず両側を検査する。(のの系(の□ 手を膝に置いてゆったりと座ってもらう。□ 安静時の振戦、その他の不随意運動(頭部の振戦、舞踏運動など)の有無を  観察する。□ 両上肢を前方に伸ばし、手掌を下に向けて指を少し広げてもらい、手指の姿  勢時振戦の有無を観察する。□ 指を広げたままで手首を背屈してもらい、固定姿勢保持困難(asterixis)の  有無を観察する。□ 臥位で固定姿勢保持困難(asterixis)を観察する場合には、両上肢を水平か  ら約45°挙上し、指を広げたままで手首を背屈してもらう。(注)その他の上半身の不随意運動も臥位で評価できる。(注)固定姿勢保持困難(asterixis)は、羽ばたき振戦と言われることもあるが   厳密には振戦ではない系(系□ 良い肢位をガイドしながら、両上肢を前方に伸ばし、手掌を平らにして上に  向け指をつけてもらう。□ 両眼を閉じてもらい、そのまま水平を保つよう頑張ってもらう。□ 上肢の降下、手掌の凹み、前腕回内、肘関節屈曲の有無を観察する。(注)本邦では慣例的に上肢のBarré (バレー)徴候と呼称されているが、   Mingazzini(ミンガッチーニ)の上肢拳上試験とも呼称される。(注)母指をそろえる(つける)かどうかは問わない。ー系□ 検者が患者さんの手を動かすので、患者さんは力を抜いて、自分では手を動  かさないようにしてほしい旨を伝える。 □ 左手で患者さんの肘関節伸側を軽く持ち、右手で患者さんの手を持って、肘  関節の屈曲伸展を適切なスピードで繰り返す。□ 筋トーヌスの異常(筋強剛、痙縮など)の有無を判定する。□ 必ず両側を検査する。(注)上肢の筋トーヌスは前腕の回内・回外、手関節の屈伸でも評価できる。90

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