臨床実習開始前の「共用試験」16版(平成30年)
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─ 97 ─(□ 患者さんの手を軽く背屈させ、検者は左手で患者さんの中指の基節を支える。□ 検者の右示指あるいは中指で、患者さんの中指の手掌側先端を強くはじく。□ 母指が屈曲するかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。(□ 検査具を見せ、足の裏をこすることを説明する。□ 患者さんの足を左手で固定して、足底の外側を踵から上にゆっくりと小趾の  つけね付近までこする。さらに内側に向けて曲げてもよいが、母趾のつけね  まではこすらない。□ 母趾の背屈がみられるかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。(注)Babinski(バビンスキー)徴候の検査具には、従来、ハンマーの柄などが   用いられてきたが、皮膚の損傷や感染予防の観点から楊枝の頭部など、ディ   スポーザブルなものを使用することが望ましい。(□ 患者さんの足の外果の下を後ろから前へ検査具(Babinski(バビンスキー)  徴候に用いたもの)でこする。□ 母趾の背屈がみられるかどうかを観察する。□ 必ず両側を検査する。□ 首の硬さを検査することを告げ、枕を外す。□ 頭部に触ることを告げ、患者さんの後頭部を両手でかかえる。□ 検者が患者さんの頭を動かすので、自分では首を曲げたり頭を動かしたりし  ないように説明する。□ はじめに左右に回してみて力が入っていないことを確認した後、ゆっくりと  頭部を前屈させ、項部硬直の有無を判定する。(注)患者さん自身に、顎が胸につくように頭部を前屈してもらい、髄膜刺激徴   候の有無を検査する方法もある(Neck flexion test)。この方法は坐位で   も臥位でも行える。□ 足を曲げた位置から膝の裏側を伸ばす検査を行う旨を説明する。□ 検者の手でガイドしながら、患者さんの片側の股関節を90゜屈曲してもらい、  さらに膝関節も90゜屈曲してもらう。□ 膝関節近位部の大腿伸側を左手でつかみ、右手で踵を下から押し上げて膝関  節を135゜までゆっくりと伸展させていき、伸展制限の有無を判定する。□ 両側とも検査する。(注)病歴聴取の段階で認知機能の異常が疑われたら、 他の診察の前に下記の検   査を行う。97

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