臨床実習開始前の「共用試験」17版
100/102

─ 98 ─-98-7.評価結果は,機構で統計処理等を行って実施大学に報告され,合否の判定は大学の責任で行われます。8.これまで,平成29年度には23大学で,平成30年度には54大学でトライアルを行いました。そして改訂を重ねて令和元年度には80大学でトライアルを実施します。そして更なる改訂を重ねて令和2年度には,正式実施とする予定です。○歯学系「診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験」の概要(2019年4月現在)歯学生が診療参加型臨床実習を通じて身につけた臨床能力を測り,歯科医師としての資質を備えていることを確認するために行います。歯科治療には専用の各種機器や材料を必要とすること,患者に与える侵襲の程度が低くないものが含まれること等の特徴があるため,各大学において工夫しながら実施されている診療参加型臨床実習の形態は様々です。また,それぞれの疾患に対して高度に専門・分化している医科同様,歯科にもいくつかの専門領域があり,臨床実習中の歯学生はそれぞれの領域を専門とする教員の指導を受けながら実地に歯科医療を学んでいます。しかし,どのような処置内容であっても歯科治療を行う際に必要とされる要件は本質的に変わりません。すなわち,常に患者への配慮を念頭におき,その処置の必要性を理解した上で正しく器材を扱いながら治療を実践することや自分に足りない点を確実に認識し,治療中の状況を適切に患者や指導教員に説明・報告することなどがあげられます。さらに,歯科では鋭利な器具を使用し,診療中に体液や血液に触れることが少なくないため,医療安全や感染対策に対する理解と配慮も必要不可欠といえます。歯学系診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験は「歯学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)」において,「G臨床実習」の別表「臨床実習の内容と分類」に提示された「3.基本的臨床技能」のうち「Ⅰ.指導者のもと実践する」「Ⅱ.指導者のもとでの実践が望まれる」に含まれるものを中心に,この試験の目的を果たすと考えられるすべての処置から課題を抽出して行われ,臨床実地試験と一斉技能試験をパッケージすることによって構成されます。それぞれの試験の具体的な内容は以下の通りです。1.臨床実地試験下記①~⑥に掲げる臨床能力を診療参加型臨床実習の現場において確認します。①治療に際して患者に配慮する②当日の治療に必要な器材を確実に準備する③必要時に指導教員に報告する④正しく器材を取り扱い,必要な処置を行う

元のページ  ../index.html#100

このブックを見る