共用試験ガイドブック第18版
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101教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構Ⅸ.四肢と脊柱(1)診察時の配慮「Ⅱ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学修・評価項目」を参照。(2)医療安全□四肢と脊柱の診察を行い、診察部位を露出してもらうことを事前に説明し同意を得る。□高齢者や日常生活動作〈ADL〉に支障のある方、意識障害、認知症、視力や聴力の障害がある患者さんに対し転倒予防など適切な対応をする。(いつでも抱えられる体勢)□自動運動による姿勢や可動域の診察は、事前に、ゆっくり行うこと、痛みが生じた場合は診察者に伝えること、それ以上無理して続けないことを指示する。□触診、他動運動による可動域の診察や疼痛誘発試験などで他動的に力を加えるときには、ゆっくり軽く行い、痛みが過度に誘発されないように留意する。(注)ここで疼痛誘発試験とは、Jackson徴候、Spurling徴候、下肢伸展挙上試験、Patrick試験を指す。(3)全般的事項□脊柱や上肢関節の可動域は自動運動の制限の有無を観察することを主体とするが、下肢関節では他動運動を主体とする。□上肢の自動運動による可動域の診察では、診察者がお手本を示しながら患者さんにやってもらい、可動域制限の有無を確認する。□他動運動による可動域の診察では、誘発される疼痛の有無を確認する。□四肢は、関節毎に必ず両側を診察し比較を行う。□四肢の関節の触診で熱感の有無を確認するときは、指腹や手掌など広い面積で軽く触れながら周囲との温度差を感じる。□診察時は、事前に、観察に必要な部位のみを露出してもらう。(4)上肢の診察1)診察部位の露出□座位で、肘関節以遠を露出してもらう。2)上肢全般の視診と触診□欠損、異常肢位(拘縮など)の有無を観察する。□上腕の皮膚の異常、腫脹、変形の有無を観察する。□上腕を触診し、熱感、腫瘤、圧痛の有無を確認する。□前腕の皮膚の異常、腫脹、変形の有無を観察する。□前腕を触診し、熱感、腫瘤、圧痛の有無を確認する。□手および指の皮膚・爪の異常、腫脹、変形の有無を観察する。□*手および指を触診し、熱感、腫瘤、圧痛の有無を確認する。3)上肢の関節の視診と触診□肘関節の発赤、腫脹、変形の有無を観察する。□肘関節を触診し、熱感の有無を確認する。□肘関節の外側上顆、内側上顆および肘頭のやや近位部を軽く押し、痛みが出るかを尋ねる。□手関節の発赤、腫脹、変形の有無を観察する。□手関節を触診し、熱感の有無を確認する。□手関節を上下左右から軽く押し、痛みが出るかを尋ねる。□指関節の発赤、腫脹、変形の有無を観察する。□指関節を触診し、熱感の有無を確認する。□母指のMP、IP関節および示指から小指までのMP、PIP、DIP関節を診察者の指で上下左右に軽く挟み、痛みが出るかを尋ねる。示指から小指までのMP関節をまとめて診察者の母指とその他の指で挟んでもよい。(注)MP (Metacarpophalangeal: 中手指節)、IP (Interphalangeal: 指節間)、PIP (Proximal Interphalangeal: 近位指節間)、DIP (Distal Int48/84101101101

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