共用試験ガイドブック第18版
104/278

教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構  erphalangeal: 遠位指節間)□ 関節毎に両側を診察し比較を行う。ただし、指関節は関節毎でなくてよい。4)可動域□ 事前に、ゆっくり行うこと、痛みが生じた場合は診察者に伝えること、それ  以上無理して続けないことを指示する。□ ゆっくり行い、痛みが出ないように留意する。□ 両側同時に診察し比較を行う。□ 腕を下にさげた位置から、肘を伸ばしたまま上肢全体を前方から挙上して、  頭の上で手のひらを合わせてもらい、肩関節屈曲の可動域(自動運動)を観  察する。  (注)通常の可動域は、180°である。□ そのままの位置から、頭の後ろで手を組んでもらい、肩関節外転および外旋  の可動域(自動運動)を観察する。  (注)手を組めなければ、あるいは左右差があれば可動域制限があると判断  する。□ 手を下から背中に回してもらい、肩関節内旋の可動域(自動運動)を観察す  る。  (注)手を背中に回せない、あるいは左右差があれば可動域制限があると判  断する。□ ふたたび腕を下にさげてもらい、そこから肘を曲げて手指で同側の鎖骨に触  れ、さらに腕と手を前にまっすぐ伸ばしてもらい、肘関節屈曲・伸展の可動  域(自動運動)を観察する。  (注)通常の可動域は、屈曲130°、伸展0°である。□ 上腕を体側に付け、肘を直角に曲げて、手掌を垂直に保つ(「小さく前にな  らえ」の姿勢)。  手掌が下を向くように手首を回してもらい、続けて手掌が上に向くように手  首を回してもらい、前腕の回内および回外の可動域(自動運動)を観察する。 (注)通常の可動域は、回内、回外とも90°である。□ 手のひらを下に向けた状態で、手関節を上と下に動かしてもらい、手関節背  屈・掌屈の可動域(自動運動)を観察する。  (注)通常の可動域は背屈70°、掌屈90°である。□ 手のひらを下に向けた状態で、指をまっすぐに伸ばしてもらい、指関節伸展  の可動域を観察する。そのまま、指を屈曲して握り拳を作ってもらい、指関  節屈曲の可動域(自動運動)を観察する。  (注)指の伸展や握り拳を作ることができなければ可動域制限があると判断  する。5)徒手筋力テスト「Ⅷ.神経」を参照。(5)下肢の診察□ 診察台に仰臥位に寝てもらい、下肢の診察をすることを告げる。1)診察部位の露出□ 仰臥位で、大腿以遠を露出してもらう。2)下肢全体の視診と触診□ 欠損、異常肢位(拘縮など)の有無を観察する。□ *大腿の皮膚の異常、腫脹、変形の有無を観察する。□ *大腿を触診し、熱感、腫瘤、圧痛の有無を確認する。□ 下腿の皮膚の異常、腫脹、変形の有無を観察する。□ 下腿を触診し、熱感、腫瘤、圧痛の有無を確認する。□ 足および趾の皮膚・爪の異常、腫脹、変形の有無を観察する。□ *足および趾を触診し、熱感、腫瘤、圧痛の有無を確認する。□ 診察者に背を向けて、まっすぐ立ってもらう。後ろから見て骨盤の高さが水  平であるかを観察し脚長差の有無を観察する。必要なら左右の腸骨稜を触っ  て確認する。3)下肢の関節の視診と触診□ 両足を閉じるように立ってもらい、膝の内反変形(両膝関節の間が開いて、  下腿が内側に入った状態)の有無を観察する。□ 仰臥位で、膝の発赤、腫脹、変形の有無を観察する。49/84102102102102

元のページ  ../index.html#104

このブックを見る