共用試験ガイドブック第18版
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105教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構Ⅹ.基本的臨床手技(注1)医療安全、感染性廃棄物(血液・体液などで汚染されたゴミ)の処理、医  療器具・物品の使用法などに関しては、施設により取り決めが異なることが  ある。いずれも、各施設の規定(マニュアル・ガイドライン等)にしたがっ  て実習を行う。(注2)臨床実習前の学修および評価はシミュレータを用いて行う。(注3)手技が確実に行われるなら、左右は問わない。 【一般手技】(1)診察時の配慮「Ⅱ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学修・評価項目」を参照。(2)医療安全□臨床手技実施時には本人確認のためという目的を告げ、患者さんに姓名を名乗ってもらう。□高齢者や日常生活動作〈ADL〉に支障のある方、意識障害、認知症、視力や聴力の障害がある患者さんに対し転倒予防など適切な対応をする。□採血時には患者さんの姓名と採血管ラベルの姓名を声を出して照合する。患者さんがリストバンドを装着している場合は、その照合も行う。□アルコール過敏性を尋ねる。過敏性があれば、他の消毒薬に変更する。□以前に採血等で気分が悪くなった事がないかなど迷走神経反射の既往を尋ねる。□(静脈を)穿刺する角度が大きいと深部の神経を損傷する危険性が増すため、浅い角度での刺入を心がける。また、穿刺が深くなり過ぎないよう注意する。□採血中、患者さんに気分が悪くないか、手指の痛みやしびれがないかを声をかけて確認する。□静脈穿刺により患者さんが強い痛みを訴えた場合は、すぐに針を抜く(神経損傷・動脈穿刺の可能性があるため)。□採血針のリキャップをしない。(針刺し事故防止のため)□針はシャープス・コンテナに廃棄する。□採血前に衛生的手洗いを行う。□男性の持続的導尿時には 尿道損傷を生じる恐れがあるので、カテーテル挿入途中で抵抗が強い場合は無理に押し込まない。□使用した消毒綿球や手袋などを感染性廃棄物として処理する。□採血終了後に手指消毒を行う。□滅菌済みの器具は適切に取り扱う。□採血中、患者さんに不安感を与えるような不適切な言動は慎む。(3)手指消毒・衛生的手洗い1)速乾性アルコール手指消毒薬(以下、速乾性消毒薬)による手指消毒(20~30秒程度を費やして十分に擦り込む)□目に見える汚れがないことを確認する。□爪を適切に切ってあることを確認する。□装飾品や腕時計を外す。□袖が邪魔にならないように前腕を十分に露出する。□消毒薬の必要十分量を手掌に取る。□以下の6か所を意識して両手に漏れなくよく擦り込む。1.指先・爪部、2.手掌、3.手背、4.指間、5.母指周囲、6.手関節周囲□母指と手関節部は対側の手で握り、ねじるように擦り込む。□擦り込む範囲は手関節の周囲までとする。2)流水による衛生的手洗い(1分間程度を費やして十分に洗う。)□爪を適切に切ってあることを確認する。□装飾品や腕時計を外す。□袖が邪魔にならないよう、前腕を十分に露出する。52/84105105105

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