共用試験ガイドブック第18版
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109教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構  場合は無理に押し込まない。□尿の流出を確認した位置から、尿道の途中でバルーンが膨らむことを防ぐためさらに十分挿入する。(注)成人男性の尿道の長さは16~20cm程度である。□抵抗感がないことを確認しながら、指定量の滅菌蒸留水をバルーンに注入する。□カテーテルを軽く引っ張り、抜けないことを確認し、この位置で適切な部位の皮膚に絆創膏で固定する。□蓄尿バッグは膀胱より低く床につかない高さに、ベッド柵に固定する。□使用した消毒綿球や手袋などを感染性廃棄物として処理する。□操作終了後に衛生的手洗いを行う。(8)*持続的導尿(女性)(以下の記載以外は男性の場合と同じ。)(臨床実習前にはシミュレータを用いて学修し、臨床実習では指導医の指導のもとで行う。)□施行者は左(右)手の母指と示指で小陰唇を開く。□施行者は右(左)手で消毒綿球にて、外尿道口から周囲へ向かい2回消毒する。□カテーテルの先端が汚染されないように注意しつつ、右(左)手でカテーテルを把持して挿入する。  (注)カテーテル挿入の目安:成人女性の尿道の長さは4~6cm程度である。(9)*乳房の診察(臨床実習前にはシミュレータを用いて学修し、臨床実習では指導医の指導のもとで行う。)1)視診□座位で視診を行う。□左右差を確認する。□皮膚の所見を確認する。発赤・腫脹・陥凹・発疹・手術瘢痕など。□変形の有無を確認する。2)触診□患者さんに適切な体位(仰臥位)をとってもらう。□指先と手掌で乳房全体を丁寧に触診する。□腋窩および鎖骨上窩リンパ節を触診する。 【外科手技】(1)診察時の配慮「Ⅱ.医療面接および身体診察、手技に関する共通の学修・評価項目」を参照。(2)医療安全【一般手技】も参照。□臨床実習では(縫合・抜糸などの外科手技は)指導医の指導のもとで行う。□装飾品や腕時計を外す。□袖が邪魔にならないように配慮する。(例)袖をまくり両前腕を十分に露出するなど。□使用する器具を確認する。縫合針の数の事前、事後の確認は特に重要である。□縫合針を紛失しないように安全な場所(滅菌シャーレ等)に置く。(注)縫合針の飛散を防止するためシャーレ内にゼリーを入れるなどの工夫もある。□シャーレ内の縫合針を把持するときは必ず持針器を用いる。(注)縫合針を手指で直接つまむと、針刺し事故を起こす危険性がある。□縫合針を安全な場所に置き、数が合っていることを確認する。□縫合針を廃棄するときは、持針器で把持してシャープス・コンテナに廃棄する。□縫合針はシャープス・コンテナへ、感染性廃棄物は専用のゴミ箱へ、分別して廃棄する。(例)縫合に使用した手袋、抜糸した糸、消毒後の綿球、縫合針など。56/84109109109

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