共用試験ガイドブック第18版
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115教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構□マスクタイプの感染防護具は、マスクを患者さんの口と鼻を覆うように密着させ、気道確保を維持する。院内においては、感染防御等の観点から、バッグ・バルブ・マスクの使用を推奨する。□胸部の動きを見ながら1回に1秒かけて、胸が上がる程度の量を2回吹き込む。□胸部の動きがない場合は、気道を確保し直し人工呼吸する。□呼吸がなく頸動脈の拍動を触知する場合は、人工呼吸を続ける。人工呼吸のみ続ける場合は、1分間に10回程度の回数で行う。7)胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返す□胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせで繰り返す。(注)回数が多少異なっても30:2を意識していればよい。□胸骨圧迫中断の時間は10秒以内とし、最小限となるように努力する。□AED装着、医師・看護師に引き継ぐまで、あるいは患者さんが動き出すまで、30:2の組み合わせを繰り返す。8)AED(自動体外式除細動器) を使用する□最初に、電源を入れ音声指示に従う。(注)パッドを取り出したり蓋を開けたりすると電源が入る機種もある。□電極パッドを患者さんの右上前胸部(鎖骨下)と左下側胸部(左乳頭外側下方)に貼る。(注)電極パッドを貼る部位に経皮的薬剤があれば除去し、胸部が濡れていたら   拭き取り、植込み型のペースメーカーや除細動器があれば膨らみを避けて   電極パッドを貼る。胸毛により電極パッドが密着しない場合は除毛する。   なおこの間も胸骨圧迫の中断は最小限になるよう努力する。□AEDによる解析の際や放電の際には、全員に患者さんから離れるように指示し、周囲を見て確認し安全を確保する。□解析や放電の後、医師・看護師に指示されるまで電極パッドは剥がさず、電源は入れたままにしておく。放電後は直ちに胸骨圧迫を開始する。□AEDの指示に従い、医師・看護師に引き継ぐまで、あるいは患者さんが動き出すまで上述の処置を続ける。AEDによる解析や除細動、呼吸と循環の確認などのタイミングは、基本的にAEDの音声指示による。9)医療者に申し送る□到着した医師・看護師に胸骨圧迫を引き継ぎ、状況を概ね10秒以内で簡潔に報告する。(キーワードの例)「目の前で倒れた」「心停止」「除細動した」10)*質の管理□胸骨圧迫の質が低下しないように胸骨圧迫の役割を1~2分ごとに交代することを考慮する。(3)小児への心肺蘇生法(注)ここでは心停止で倒れたところを目撃された小児への対応について、成人   との違いのみ記載した。□脈の確認は、頸動脈または大腿動脈で行う。□小児の場合も、心停止状態と判断したら、直ちに胸骨圧迫を開始するが、小児の心停止の原因は呼吸原性のことが多いので、人工呼吸の準備が整い次第、人工呼吸を行う。□脈拍60/分以下の徐脈で、かつ、末梢循環障害があれば胸骨圧迫を行う。□救助者が1人の場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は30:2とする。□医療従事者が2人以上いる場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は15:2とする。□胸骨圧迫では、小児では圧迫の深さは胸の厚さの1/3程度として強く圧迫する。体の大きさを考慮し片手で圧迫してもよい。□AEDを使用する際、未就学児(1~6歳)では小児用電極パッドを使用する。小児用電極パッドが無ければ成人用電極パッドで代用するが、パッド同士が接触しないように適切な位置に貼る。(4)*乳児への心肺蘇生法(注)ここでは突然ぐったりしたところを目撃された乳児への対応について、成   人・小児との違いのみ記載した。□反応の確認は、肩もしくは足底で行う。□脈の確認は、上腕動脈で行う。62/84115115115

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