共用試験ガイドブック第18版
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教員・学生配布資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構7)医療者に申し送る□到着した医師・看護師に引き継ぎ、状況を概ね10秒以内で簡潔に報告する。(キーワードの例)「窒息」「腹部突き上げ法」「背部叩打法」「胸骨圧迫」(8)バッグ・バルブ・マスクを用いた人工呼吸法(注)心肺蘇生法を救助者1名のみで行う場合は、バッグ・バルブ・マスクの使   用は推奨されない。(注)院内においては、複数の救助者で心肺蘇生を行う場合は感染防御等の観点   から、バッグ・バルブ・マスクの使用が推奨される。1)バッグ・バルブ・マスクを片手で保持して人工呼吸を行う方法□患者さんの頭頂部側から手技を行う。□患者さんの鼻と口を覆うように、適切な位置にマスクを置く。□頭部後屈あご先挙上、もしくは下顎挙上で気道を確保する。□中指、環指、小指を患者さんの下顎にかけて下顎を引き上げつつ、母指と示指でマスクを保持し、患者さんの鼻と口を覆う(ECクランプ法)。□胸部の動きを見ながら1回に1秒かけて、胸が上がる程度の量を送気する。□胸部の動きがない場合は、気道を確保し直して換気を行う。□患者さんに呼吸は無いが脈拍を認める場合は、1分間に10回程度の回数で換気を行う。2)バッグ・バルブ・マスクを両手で保持して人工呼吸を行う方法□熟練した救助者が複数いる場合は、2人法でバッグ・バルブ・マスクを用いる。□気道確保担当者は、両手でマスクの保持を行い、気道確保に専念する。その際、両手の母指と示指でマスクを保持し患者さんの鼻と口を覆う(ECクランプ法)か、両手の母指球でマスクの左右を押さえ、他の指で下顎を引き上げるようにしてマスクを密着させる(母指球法)。□換気担当者は、胸部の動きを見ながら1回に1秒かけて、胸が上がる程度の量を送気する。□胸部の動きがない場合は、気道を確保し直して換気を行う。□患者さんに呼吸は無いが脈拍を認める場合は、1分間に10回程度の回数で換気を行う。(9)*蘇生チームによる心肺蘇生法(成人・小児・乳児、目撃例・非目撃例)(注)救急対応チームリーダーの指示のもと以下の処置を行う。1)心電図波形を評価しVF / Pulseless VTであれば除細動を迅速かつ安全に行う。2)バッグ・バルブ・マスクや気管挿管等で胸骨圧迫と人工呼吸を継続する。3)末梢静脈路を確保し救急薬剤を投与する。4)鑑別診断を考える。(10)*重症救急病態に対する救命治療(注)救急対応チームリーダーの指示のもと対応する。1)ショック2)急性中毒3)広範囲熱傷4)多発外傷(11)*初期救急病態の鑑別と初期治療(注)救急対応チームリーダーの指示のもと対応する。1)発熱、脱水、めまい2)けいれん、意識障害、頭痛3)動悸、胸痛、呼吸困難、喀血4)腹痛、嘔吐、吐血・下血、下痢、血尿学生が臨床実習中に学修し卒業時には身につけておくべきだが、臨床実習開始前には備わっていなくてもよいと判断した項目には*を付記した。ただし卒業時に身につけておくべき技能と態度のすべてを網羅しているわけではない。65/84118118118118

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